ナースあるある~循環器病棟編~

ナースライター 松井英子
ナースライター 松井英子
ナースあるある~循環器病棟編~

急性心筋梗塞や慢性心不全など心臓疾患の患者さんが多い循環器病棟。常に心電図モニターがフル稼働しており、アラームがなったときは病棟中に緊張感が走ります。今回、循環器病棟でありがちなクスッと笑える「あるある」をお届けいたします。



1.心電図アラームの解析力はまかせて!

循環器病棟ナースは心電図を読むスキルが必須。なぜなら心電図から症状の原因を突き止めたり、異常や急変に気がついたりする必要があるからです。心筋梗塞や狭心症、房室ブロックや心室頻拍や発作生上室性頻拍などモニター着用していることで異常の早期発見ができます。アラームが鳴った時も緊急性があるのかどうかを判断し、医師への連絡か、様子見なのかを判断します。「ダブルカウントね」「筋電図になっている」「基線の揺れで見にくいけどここにQRSがあって・・」とプロフェッショナル。休日はセミナーに行ったり、心電図検定に挑戦したりと勉強熱心な人が多いのも循環器病棟ナースの特徴かもしれません。



2.冷静さを保てる

心疾患を持つ人の急変はスピード勝負。少しの遅れで最悪、命の危険があります。そのため、病棟ではBLSやACLSといった急変時対応について定期的にシュミレーションしています。心電図アラームが鳴り、患者さんのもとに行くと「何かがおかしい」。そんな時も冷静にリーダーシップをとってテキパキと対応。意識レベル、脈拍、呼吸、心電図、除細動などの確認を行いながら患者さんの命を救うために全力です。しかし何年経っても冷や汗とドキドキは止まりません。



3.モニターの異常と血圧の変動はセット!

新人の頃、不整脈があったのでリーダーに報告すると「それで血圧はどうなっているの?」と必ず突っ込まれました。心臓は全身に血を送るポンプ機能であるため、脈が乱れることで循環動態に影響を及ぼします。最悪の場合、血圧が保てなくなりショックを引き起こします。心電図の変化があるときは脈と血圧もセットでの報告で一人前!?



4.勤勉家が多い

委員会の仕事が勤務時間内に

異常が生命の危機に直結するので、責任は重いです。「自分のせいで患者さんが・・・」とならないためにも学ぼうという意欲や危機感があるので、勉強することに対してあまり苦に感じません。それ以上に学んだことが活かされるので、自信がついて勉強がより楽しくなることも。



5.心電図やデータから変化を感じ取る

循環器病棟ナースは患者さんの症状、既往歴、バイタルサイン、血液データ、そして心電図と様々なデータからアセスメントする能力が高いです。今後起こりうるリスクを想定しながら悪化防止のために介入します。とくに糖尿病を合併している患者さんは、自覚症状が乏しいことがあるので、データと他覚症状から状態を判断するので応用力が求められます。勉強熱心な人が多いのでカンファレンスでは、看護の立場から医師と対等に話すことができるナースが多い気がします。



6.じつは循環動態以外が苦手!?

循環動態で整理できることには強いけど、消化器疾患や脳疾患には弱い人が多い気がします...。



7.真面目な患者さんが多い

循環器に入院する患者さんは経営者や社長、ストレスフルな緊張感の高い仕事をしている人が多いかもしれません。また神経質で細かい人も。ストレスが溜まってしまい、睡眠障害から眠剤を服用している人が多いように感じます。命のためにお仕事変えた方がいいのではないか?とこちらが心配になります。



8.安静度を守れない患者さんにドキドキ

安静度を守れない患者さんにドキドキ

急性心筋梗塞後は心臓リハビリテーションで段階を踏みながらADLを拡大していきます。しかし、症状が落ち着くと患者さんは安静度以上の動きを見せ、こちらの心臓をキュッと締め付けてくれます。笑顔の下は「また倒れちゃうから、ほんと安静にして!」と冷や汗をかいています。



9.体重計を持ち歩いている

水分のインアウトが重要になる循環器疾患は体重測定が重要です。そのため、体重計を持って患者さんのベッドサイドまで走り回ることに。夜勤のとどめは体重測定かもしれません...。



10.歯磨きでVT出現!?

歯磨きでVT出現!?

心電図に「VT出現」。急いで病室に行こうとすると、落ち着いた声で先輩が「それ、歯磨きVTだから。でも一応見てきてね」って。なんですかそれは!?歯磨きの動きで基線が動きVTとして見えることがあるようで循環器界隈では有名な話。



11.シリンジポンプの交換がスピーディー

微量に投与する点滴が多く、シリンジポンプの稼働率が高い病棟です。しかし交換時にモタモタしていると、血圧が下がることがありますが、ここのナースは、一切無駄なくテキパキ交換することができます。あまりにも交換頻度が多いので、仕事の効率を上げるために“マイコッヘル”を携帯しています。



12.寒くなると病棟が忙しくなる

寒い時期は血管が縮まり、心筋梗塞の患者さんが増えます。また、気温の変化や季節の変わり目に体調を崩した慢性心不全の患者さんが増えます。そのため冬の循環器病棟はバタバタ。「明日は気温がぐっと下がります」というニュースが流れると、定時で帰れないような気がしてしまいます。



13.帰宅してもモニターアラームが聞こえる

心電図に囲まれて仕事をするのでアラーム音が頭に残ります。家に帰っても幻聴が聞こえることも...。特に夜勤後は疲労からアラームが聞こえている気がしてしまい、休んだ気になれません。そんな時は、好きな音楽でも聞いて脳内リフレッシュ!



まとめ

急変時の対応ならピカイチの循環器ナース。患者さんを救えた時は達成感で胸がいっぱいになります。そのため、どんな急変があっても対応できるよう学習意欲が高く、冷静で的確な判断ができるナースが勢ぞろい。非常にハードな職場ではありますが、患者さんを救うために日々研鑽を積んでいます。科によってもそれぞれ特徴があるので、ぜひ職場のスタッフ同士で“あるある“を共有してくださいね。



~ライタープロフィール~

【松井英子】 ナースLab認定ライター
看護師になってからスノーボードにハマり、27歳からスポンサー契約する。10年近く期間限定の派遣看護師として多くの職場を経験し、医療や介護の場を経験する。ライフスタイルの変化から現在は群馬に移住し、地方病院で高齢者医療に携わる。 ストレスフルな環境だからこそワークライフバランスが大切であることを伝えたいと思い、仕事もプライベートも楽しむコツを発信。オンラインサロンのナースLab→にてイベントの企画や運営も行っている。

https://eikomatsui.jimdofree.com/

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