看護師インフルエンサー徹底解剖

ナースライター 市原 歩
ナースライター 市原 歩
看護師インフルエンサー徹底解剖

誰でも気軽に始められて影響力を持つことができる可能性のあるSNSですが、最近では看護師をしながらインフルエンサーとして活動している人が増えているようです。
華やかに見えるインフルエンサーの世界ですが、「どうやってフォロワーが増えたの?」「稼げるって本当?」など、いろいろと気になりますよね。
今回、主にInstagramで活動する3人の看護師インフルエンサーに座談会でお話をうかがいました。SNSを見て楽しんでいる人も、「これから何か発信したい」と考えている人にも参考になる内容をお届けします。



看護師インフルエンサープロフィール

AKIEさん

AKIEさん

花嫁アカウントとして、プロポーズからプレ花嫁、結婚式当日までの取り組みを発信。「クラシック・ガーリー」をテーマに、こだわり抜かれたセンスや花嫁美容が人気のアカウント。フォロワー数約3,100人 アカウント開設時は病棟看護師。

Instagramアカウント

ATSUMIさん

ATSUMIさん

旅アカウントとして国内外のさまざまな旅情報を紹介。美しい景色や、同じ場所に旅行に行きたくなるようなセンスの良い写真が人気のアカウント。フォロワー数約6,500人。SNSで発信しながらスポットで看護師のアルバイトをしている。

Instagramアカウント

ayakaさん

ayakaさん

自身が取り組んだダイエットについて発信。Before、Afterの写真で注目を集めた。辛いダイエットも楽しめるようなポジティブで明るい投稿が人気のアカウント。フォロワー数約12.9万人 YouTubeでは自宅でできる運動方法を紹介。美容クリニックの病棟長、現在育休中。

Instagramアカウント
YouTubeアカウント

――インフルエンサーになったきっかけを教えてください

ATSUMI

Instagramが流行り始めた頃にアカウントを作ったのがきっかけで、投稿をするためにこだわって旅の写真を撮るようになりました。Instagramを続けるうちに旅と写真の世界にどんどんのめり込んでいって、同じ趣味のアカウントの人との交流も生まれたんです。長く続けていると見てくれる人も増えてきて、旅行のPRの話も来るようになりました。



AKIE

プロポーズを受けたのをきっかけに、プレ花嫁から式当日の様子を記録に残したいと思いました。これまで使っていたプライベートのアカウントにウエディングの投稿ばかりするのは気が引けたので、記録に残すための花嫁アカウントを開設したのがきっかけです。まさかこんなにたくさんの人に見ていただけるアカウントになるとは思っていませんでした。



ayaka

ダイエットを開始したときに、取り組んだことをInstagramに記録しておきたいと思ってアカウントを開設しました。あとは、人に見られることで結果につながると考えました。ダイエットの結果が出るにつれてたくさんの人が見てくれるようになったので、自分のモチベーションにもなっていました。



――どうやってフォロワーが増えたの?

AKIE

仕事柄マーケティングに詳しい夫に投稿内容の相談をしていると、アドバイスをくれるようになりました。例えば、夜間や週末などInstagramを見ている人の多い時間帯の更新を意識するといったことや、できるだけ毎日投稿するようにとアドバイスをくれました。アクティブに更新しているアカウントの方がフォローしたいと思われるようです。
あと、質問コーナーを設けてフォロワーさんとのコミュニケーションを積極的に取っていた時は、フォロワー数が増えていると感じました。他に思いつくとしたら、投稿内容の世界観(クラシック・ガーリー)を徹底したことで同じテイストが好きな方の目に留まりやすかったのかなと思っています。



ATSUMI

長い期間投稿を頻繁に更新し続けているので、少しずつフォロワーさんが増えていった印象です。特に増えた時は、いろいろな旅のメディアで旅のレポートを取り上げられた時や、仲のいい旅アカウントの友達とメンション(自分の投稿に他のユーザーを紐づけられる機能)しあった時だと記憶しています。



ayaka

「健康的に痩せた」という結果と、現役看護師が栄養や運動の取り組みを発信している点が大きいと思います。自分が投稿を見る立場になって「参考にしたい!」と思える内容にすることを常に意識しています。
世の中に溢れるダイエット情報の中には、間違った危険な内容のものもあります。私の投稿では正しい情報を伝えたいので、看護や解剖学の参考書から根拠を得て誰でもわかりやすい内容にすることを心がけています。
あとはダイエット検定などで新たに取り入れた知識を発信するようにしています。



――いつも使っているおすすめの編集アプリを教えてください!

ATSUMI

私は「Lightroom」をよく使います。画像の修正や加工などの処理がきるアプリで、特に背景の人を消せる機能は便利です。観光地などで写真の背景に写り込んだ人を消す処理をするだけで写真の雰囲気がかなり良くなります。

あと、「Canva」がおすすめです。デザインも豊富だしテンプレートもたくさんあって、初心者でも簡単におしゃれなデザインの投稿が作れますよ。



AKIE

私は「BeautyPlus」をよく使います。美肌に見せることのできるアプリなんですが、一見無加工に見えるような自然さが気に入っています。あとフォントは「Text Gang」を使って、おしゃれなフォントで投稿するなどして個性を出しています。

あとは「改行くん」のアプリもおすすめです。Instagramから直接本文を入れると改行できなくて、長文だととても読みづらいんですよ。だから私は長文を投稿するときは「改行くん」のアプリを使って見やすい投稿にすることを心がけています。



ayaka

食べ物の写真は「Foodie」で加工することが多いです。名前の通り食べ物の加工に特化したアプリなんですけど、すごく美味しそうな写真に編集できるんですよ。



ATSUMI

「Foodie」いいですよね! 私はお気に入りのフィルター2種類くらいに絞って使うことで写真に統一感が出るように意識しています。


ayaka

動画編集には「InShot」がおすすめです。特にリール動画のサイズに変更できる機能が便利です。動画にテキストを入れるときに手書きの文字や絵を挿入できる点も気に入っています。



インフルエンサーが稼げるって本当?

――インフルエンサーが稼げるって本当?

ayaka

結論から言うと「やり方による」と思います。特に、Instagramでの収入は、企業から依頼を受けて商品をレビューするものがほとんど。自分が紹介した商品の売り上げに応じて成果報酬をもらうのが一般的です。フォロワー数が1万人を超えたあたりから商品の広告依頼のDMがよく来るようになりました。

「稼ぐ」と言う観点だけで言うとInstagramよりは、自分のメディアに広告を直接貼れるYouTubeやTikTok、ブログの方が収入を得やすい印象ですね。
私はフォロワーさんの信頼を損なわないために、PRする案件は自分が試して本当に気に入った商品だけと決めています。

InstagramやYouTubeをやってみて、副業としては十分だといえる位の収入が得られていると感じています。フォロワー数が増えるとインフルエンサーを本業にもできると思いますが、私は楽しみながらInstagramを続けたいので収入にこだわらずに、今後も好きな発信を続けていきたいと思っています。



AKIE

私はインフルエンサーで稼げるというよりは、前撮りの写真を企業からの提供で撮っていただけたことや、雑誌に取り上げてもらうなど非日常の体験ができました。フォロワー数2,000人を超えたくらいから企業から提供のお話をいくつかいただくようになったと記憶しています。今は結婚式も終わってInstagramの投稿はほとんどしていないので、収入を得るツールとしては運用していないです。



ATSUMI

私はInstagramを通してカメラマンの仕事やモデルの仕事の依頼が来るようになりました。フォロワー数3,000人前後くらいからPRのために企業からの提供で旅行に行ける機会も増えました。今は旅の発信やカメラマンの仕事など好きなことをメインの仕事にして、空いた時間に看護師の単発アルバイトを入れて生活しています。



――インフルエンサーになってよかったこと、大変だったことは?

ayaka

フォロワーさんには感謝しかないです。アカウント開設初期から何年も応援してくれている人がいるし、発信することで知識と経験を積み重ねて、年々自分が健康になっていると感じています。



AKIE

私は同じ会場で式を挙げた花嫁さんたちとInstagramを通じて仲良くなったことです。花嫁アカウントを開設していなかったらこの出会いはなかったわけですから。あとは前撮りの提供や雑誌に取り上げていただけたことなどはいい思い出です。



ATSUMI

私もInstagramを通して、看護師の職場だけでは出会えないような共通の趣味の友達ができたことがよかったと感じています。今でもInstagramで仲良くなった友人たちと一緒に旅に行って、お互いのSNSで情報を発信しています。



ayaka

大変だったこともたくさんありましたよ。コメントやDMで心ないメッセージを送ってくる人も一定数います。そういった人たちのほとんどは自分のアカウントは非公開の人が多いので、あまり気にしないようにはしています。


投稿に対しての目に余るコメントは、自分のフォロワーさんには見えないように制限する機能を使ったり、何度も来る場合はブロックしたりして対応しています。

すごく傷つくこともあって、そんな時は旦那さんに聞いてもらっています。そしたら旦那さんが私以上に怒ってくれるので、その反応を見て少し心が落ち着くんです。



AKIE

私もネット上の某掲示板に悪口を書かれたのを見つけてしまって、傷ついたことがありました。ついエゴサーチ(自分自身のことをインターネットで検索して調べる行為)をしてしまっては落ち込む時期もありましたね。でも不特定多数の人が見るSNSで発信する以上多少はそういったことはあるだろうと気にしないように気持ちを切り替えました。

ATSUMI

私は、すごく悲しい思いをしたことはあまりないんですが、観光スポットや道路などでのマナーは最近指摘されることが多いとよく聞きます。撮影をする時は写真映えにこだわり過ぎるあまり、周りの人に迷惑をかけないように気を付けています。
物事にはいろいろな見方があり、大勢に向けての発信は難しいなと感じる部分です。



まとめ

今回は各分野で人気のアカウントの3人にお話を伺いまいした。アカウント開設のきっかけは3人とも自身の記録のためで、何事も「まずは始めてみる」ことが大切だなと感じました。
アカウントが注目されていった理由としては


・毎日更新するなどコツコツ続けること
・自分の個性を出せるような投稿内容を意識していること
・フォロワーさんに近い存在と感じてもらえるよう質問コーナーやコメントの返信などでコミュニケーションを取ること
・見る人が欲しいと思える情報を提供するように意識していること

などが挙げられます。これらを意識して、まずはフォロワー数2,000人を目指すと企業からのオファーが来るかもしれません。また、副業として収入を得たいと考える方はフォロワー数1万人を目標に、他のSNSも同時に運用するといいようです。

何よりも、3人とも自身のアカウントで取り組んでいることが「好きで熱中できること」が続けられる秘訣であると感じました。
SNSを見て楽しんでいる人も、「これから何か発信したい」と考えている人にも参考になると思うので、今回座談会でお話をうかがった3人のアカウントをぜひ一度のぞいてみてください。



ライタープロフィール

【市原 歩】ナースLab認定ライター
現役看護師16年目。整形外科病棟勤務。 20~30代前半まで副業でDJとして都内のCLUBで活動していた。 2021年~WEBライターとして医療情報メディアでのコラム、美容系の施術解説記事などを 執筆している

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