花を見ると気持ちが和んだり、元気になったりしませんか。それは命を持った花によって、無意識のうちに私たちの五感が刺激されているからです。花は色や種類によって独自のエネルギーを持っており、心理セラピーにも用いられています。筆者が学んだ花を使った心理セラピーと、その活用についてご紹介します。
花が心を表し、花が心を満たす
花を使った心理セラピーは、花の色と形、そしてアレンジの形に心理学を統合したものです。生きた花たちは、個々に異なるエネルギーを持っているそうです。人が花によって、癒やされたり、安心したり、元気が出たりするのはそのためです。
自分が選んだ花は、その時の自分自身に共感してくれる、或いは足りない部分を助けてくれるようなエネルギーやメッセージを持っており、そのような花を、自然に選び出しているなどの考えにもとづいています。
クライエントが自由に作成したフラワーアレンジメントを用いたカウンセリングでは、使った花の種類・色・本数、そしてアレンジ全体における配置などを通じて、本人も気づいていない心のありようを紐解くといったことが行われています。
体験教室へ花と出会い直した私
私が花を使ったセラピーを知ったのは10年以上前、看護師を対象に行われたアロマセラピーのセミナーです。休憩時間にその日初めて会った方から「フラワー心理セラピーというのがあるよ」教えていただきました。どういういきさつでそのような話題になったのかは忘れましたが、もともと花が好きで心理学にも興味を持っていたので、体験教室に参加してみることにしました。
体験教室では最初にセラピーについての説明と、色を使ったワークショップを受けた後、好きな花を好きなように使ってアレンジメントを作成しました。自由に作るアレンジメントは、先生のお手本通りに作るフラワーアレンジメント教室に通っていた経験が邪魔をして、最初戸惑いましたが気が付けば夢中になるほど楽しかったです。
花々と優しい言葉に包まれてリフレッシュ
作成したアレンジは、参加者同士がどんな気持ちで作成したかを発表し、お互いの作品の良いところを褒め合いました。思いやりのある優しい言葉を沢山浴びるという経験に、心が温かくなったようで何とも言い難い幸せな気分でした。
そして最後に講師から、自分のアレンジから読み解ける花のメッセージを聞きました。アレンジの中心に白い花を使っていた私は、「新しいスタートを切ろうとしているのでは?」と言われ、当時離婚をして転居し新生活を始めたばかりだったので、「え、その通りだわ」と驚き、一層興味を持ち、学ぶことを決めました。
講座では、花についての知識やカウンセリングの技法、テーマに合わせたアレンジなどを学びます。自分で買うには躊躇するほどのふんだんな花を使ってアレンジを作れることがとても楽しかったです。なにより花を触っていると自然に笑顔になって、楽しい気分になり元気が出てくるのです。毎回生きた花のもつエネルギーを体感することができました。
暮らしの中に花を
受講後は花屋を見かけると、気になる花をチェックする癖がつきました。グリーンに目が行くと、「ちょっと疲れてるかな、最近忙しすぎるかな」と日常を振り返ります。黄色やオレンジのガーベラに目が行くと、「今私、元気?」と確認します。全ての花のエネルギーについて覚えている訳ではありませんので、メモしておいて後から本で調べています。少しずつ覚えてくると、花を見るのがより楽しくなり、花のエネルギーも受けやすくなる気がしています。
その他には、パソコン仕事で目の疲れを感じると、黄緑色の菊を机の片隅に飾って時々眺めます。眠りにくい時は、春なら紫や薄いピンクのスイトピーを寝室に置いて、安眠を促してもらうことも。秋冬は赤やオレンジの花の色に温もりを感じることができます。
日々頑張る自分自身に、労りや励ましの気持ちをこめて、たとえ1本でも花を買うことによって、とても幸せで満たされた気持ちになりますよ。また、応援や感謝の気持ちを託して花を選びプレゼントする時は、さらに幸せな気分になります。
まとめ
嬉しいときに選ぶ花、淋しいときに選ぶ花。無意識に私たちは自分にぴったりの花を選んでいるようです。心身ともに疲れやすい環境にある看護師の皆さん、暮らしに花を取り入れてセルフケアしてみませんか。生活に彩りを添えるだけでなく、いろんな気持ちのあなたを、背中からそっと支えてくれると思います。
参考文献
芙和せら.花の心理セラピー.角川SSコミュニケーションズ.2004.
ライタープロフィール
【あおちゃん】ナースLab認定ライター
座右の銘は「毎日楽しく」。
目指すところは「笑顔を引き出す看護実践」。
紙屋克子氏の、「ナーシングバイオメカニクスに基づく自立のための生活支援技術」と黒岩恭子氏の「黒岩メソッド」を武器に活動中です。
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