看護師あるある~整形外科病棟編~

ナースライター 村上緑
ナースライター 村上緑
看護師のお給与の仕組みをわかりやすく解説!診療報酬改定2024

皆さんは整形外科病棟の看護師の仕事にどのようなイメージを持っていますか? 整形外科病棟は、高齢者だけでなく、スポーツによる怪我や事故などのため、若い男性も多く入院するという特徴があります。身体面のケアに加え、突如入院を余儀なくされた患者さんの精神面のケアも大切な仕事です。大学病院の整形外科病棟で働いた看護師が体感した魅力・やりがいについて紹介します。



筋肉に詳しくなると、理想のボディラインになれる!?

筋肉に詳しくなると、理想のボディラインになれる!?

整形外科病棟に勤めると、聞き馴染みのない筋肉の名前や部位にも自然と詳しくなります。例えば、小胸筋や大殿筋って、どこにあるか知っていますか? 小胸筋は部位を意識してトレーニングすることでバストアップが期待できますし、大殿筋は鍛えることで美尻を目指せます。こんな風に、仕事で得た知識をプライベートに活かせるのも整形外科ならでは。理想の体型やボディラインを実現しやすくなるかもしれません。



基礎看護技術をマスター! 看護師としての自信が身に付く

学生時代に学んだものの実際には提供する機会が……という基礎看護技術はありませんか?
整形外科病棟では、骨盤骨折の患者さんに対する女性用尿瓶を用いた排泄介助や、絶対安静の患者さんの清拭もします。ちなみに、女性用尿瓶を使う際は、陰部への押し当て方や砂嚢の固定方法など「ちょっとしたコツ」で患者さんの安心感が変わります。

また、頚椎損傷の患者さんの背部清拭は、耳の脇に砂嚢を置くことで側臥位になる際も頚椎の安静を保持できます。整形外科病棟は、基礎看護技術の応用力を磨くことができるので、看護師として自信が持てるようになります!



より快適に生活するには? 看護の視点を深められる

整形外科病棟の患者さんは、病状に応じた「安静度」が医師から指示されます。例えば、頚椎の手術当日はギャッチアップ不可、術後3日目ならギャッチアップ30度まで、といった具合です。

「何がどこにあるか見えない」「思うように出来なくてイライラする」という患者さんの言葉通り、この状態で生活することは本当に大変です。だからこそ、食事形態を一口サイズ・おにぎりに変更したり、ベッドに鏡を設置したりするなどの配慮が欠かせません。視野や行動が制限されても安全かつ快適な入院生活となるには、どのような援助が必要か? 看護の基礎となる視点を深められるのも整形外科病棟の魅力です。



「動きたいのに動けない!」フラストレーションが溜まるからこそ、ストレスケアを

「動きたいのに動けない!」フラストレーションが溜まるからこそ、ストレスケアを

怪我や事故のため急遽入院する患者さんには、基礎疾患がないことも。患部は痛むけれど、中身は元気! だからこそ、動けないことが大きなストレスになります。行動が制限される入院生活のなかで、少しでも楽しみを感じられるよう、横になりながら本が読めるよう書見台を設置したり、看護師が話し相手になったりもします。

また、脊髄損傷をはじめ、治療をしても障害が残る方もいます。危機的状況に困惑する患者さん・家族だけでなく「何をしてあげられるだろう」と無力感を味わうこともある、看護師自身のストレスケアも仕事を続けていく上で重要です。



個別性とは何か? 生活指導の力を高められる

もし、あなたが車椅子の操作方法を患者さんに指導する場合、どのように行いますか?患者さんによっては実際に操作して身体で覚える方もいれば、自動車の運転と同じように内輪差など論理的に理解することで操作できるようになる方もいます。車いす操作ひとつとっても、指導方法は一つではありません。

膝や股関節を人工関節に置き換える患者さんは、生活指導を受けてから試験外泊を行い、退院を迎えることもあります。自宅環境は和室か洋室か、普段どのような姿勢で過ごすのか、など細やかな情報に基づく個別指導は、看護師の腕の見せ所です。



転職にも役立つ? 介護保険や社会福祉の知識が身に付く

リウマチの患者さんや、人工関節置換術を受けた患者さんのなかには、身体障害者手帳の交付対象となる方もいます。また、手術を機に介護保険の申請や見直しを受ける方もいます。整形外科病棟で働く看護師は、院内では理学療法士や退院調整をする看護師、院外ではケアマネジャーや訪問看護師などと情報を共有し連携して患者さんを支えます。車椅子・杖などの移動補助用品についても詳しくなれるため、いずれ介護施設や訪問看護などへの転職を考える看護師にも向いている科かもしれません。



まとめ

整形外科病棟は「動く」という活動の基盤を支える、やりがいのある診療科です。患者さんのなかには外来受診のたびに病棟を訪れ、元気な姿を見せてくれる方がいたことも筆者にとっては大きな喜びでした。

基礎看護技術の応用力を磨き、自信を付けたい新卒看護師だけでなく、転職を視野に入れスキルアップしたい中堅看護師にも整形外科病棟はオススメです。ぜひ、選択肢の一つとして考えてみませんか?



ライタープロフィール

【村上緑】ナースLab認定ライター
宮城県仙台市在住。病院、訪問看護管理者や自治体看護師を経験し、起業。今後のキャリアに悩む看護師を対象にキャリアコーチングを提供する。マーケティングの知識と経験を活かし「PRナース」として看護師採用支援にも携わる。

ブログ:「資格にとらわれず幸せなキャリアを育てる」

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