中途採用で新しいキャリアを歩む看護師の皆さん、お疲れ様です。経験者ならではの期待とプレッシャーを感じる場面も多いのではないでしょうか。この記事では、転職した看護師が経験する「中途採用者ならではのあるある」エピソードをご紹介します。

「以前の職場は？」繰り返される自己紹介のデジャブ

中途採用で入職すると、多くの方から「以前はどちらで働いていたのですか？」と尋ねられます。これは、周囲の温かい配慮でもあるのでしょう。しかし、会う人ごとに自己紹介を繰り返すうち、デジャブのような感覚になることはありませんか。業務よりも自己紹介に時間を使っているように感じられるのは、きっとあなただけではないはずです。

薬や物品の置き場所がわからず、何度も往復

基本的な物品の場所がわからず、処置室とナースステーションを何度も往復してしまう。これは経験年数を問わず、多くの転職者が通る道かもしれません。早く役に立ちたい気持ちとは裏腹に、結局先輩の手を借りることになり、もどかしい思いをした経験を持つ方もいるのではないでしょうか。

ドキッとするアラーム音。慣れない機器に、少しだけ手が止まる瞬間

新しい職場では、慣れない機器の操作に戸惑うこともあるでしょう。ナースコールの音が違うだけで反応が少し遅れたり、点滴ポンプなどの機種が異なり設定に手間取ったり。患者さんの安全に関わるからこそ、一つひとつの操作が慎重になるものです。慣れるまではアラームが鳴るたび、少し緊張が走ることがあるでしょう。

空気を読んで発言を控えてしまう

これまでの経験から「もっと効率的な方法があるのに」と感じても、すぐには意見を言いにくいものです。まずはその職場のルールや人間関係を尊重し、組織の一員として馴染むため、聞き役に徹する場面もあるでしょう。新しい環境で信頼関係を築く上で、必要な過程かもしれません。

段取りや環境の違いに戸惑う

働く環境が変われば、求められる看護も一変します。私は一般病棟・ICU・訪問看護へと転職した経験があります。膨大なモニター類や医療機器に囲まれたり、限られた設備で応用力を試されたりする時もありました。職場が変わると、以前の経験を生かせず戸惑うこともありますが、新たな学びの機会になるでしょう。

即戦力だからこその重圧。期待に応えようと気を引き締める日々

即戦力として期待され、入職後すぐに重症度の高い患者さんを受け持つケースも。気軽に相談できる相手がまだいない状況で、一つひとつの判断に迷いながらも、知識と経験を総動員して向き合います。プレッシャーと孤独を感じつつも、自らを奮い立たせる、そんな責任感と緊張感が入り混じる日々を経験したことはありませんか。

いつの間にか、教える立場になっている自分に気づく

初めは物品の場所もわからず右往左往していたのに、いつの間にか後から来たスタッフに業務を教えている自分に気づくことがありませんか。自分のことで精一杯だった時期を乗り越えて職場に馴染み、着実に前に進めていると実感する、感慨深い瞬間ではないでしょうか。

多様な視点に触れ、看護の視野が広がる

転職直後の大変な時期を乗り越える経験は、自分を大きく成長させてくれます。以前の職場と今の職場の双方を知るからこそ「ここではこの方が良い」と多角的に判断できるようになり、ケアの選択肢も自然と広がります。多様な環境や価値観に触れることでアセスメント能力が深まり、看護という仕事の奥深さを再認識する。そんな風に、看護師としての視野が広がったと感じられるでしょう。

まとめ

今回は、中途採用の看護師が経験するさまざまな場面をご紹介しました。慣れない環境での戸惑いやプレッシャーは、決してあなただけが感じているものではありません。その一つひとつの経験が、看護観を深めキャリアをより豊かなものにしてくれるはずです。
また、これから転職を考える方にとって、入職後のご自身の姿をイメージするきっかけになれば幸いです。

～ライタープロフィール～

【牧平京子】ナースLab認定ライター
総合病院で内科系、外科系、ICUなどのさまざまな部署を経験。家族でアメリカに4年半滞在後、気持ちが満たされる働き方を実現するために心機一転。現在非常勤の訪問看護とwebライターの仕事に取り組んでいる。

看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」

看護師あるある～中途採用者編Part１～