「辞めたいけれど、言い出しにくい…」「退職を切り出して職場と気まずくなるのが怖い」そんな経験をしたことはありませんか。看護師の現場は慢性的な人手不足の職場が多く、退職を切り出しにくいと感じる人も少なくないでしょう。「いま辞めると迷惑をかけるかもしれない」と思うとなかなか退職を切り出せず、悩む人もいるかもしれません。退職はキャリア選択の一つですが、伝え方や姿勢によって職場との関係が大きく変わってしまうことも。円満に退職できれば、次の職場にも気持ちよく進めます。この記事では、看護師が円満退職するためのコツとトラブルになりにくい人の特徴を紹介します。
1. 現場の空気を読んで退職の意思は早めに伝える
退職の意思をギリギリまで引き延ばすのはよくありません。病棟やスタッフにも迷惑をかけてしまいます。病棟や自身の状況にもよりますが、できるだけ早めに伝えましょう。そのほうが人員調整や引き継ぎの準備がしやすく、結果的にトラブルを避けやすくなります。直前に伝えると職場に負担がかかり、「なぜ相談してくれなかったのか」とスタッフとの関係がこじれる原因になることも。退職まで肩身が狭く感じる可能性があるため、気をつけましょう。伝えたあとは、あなたの退職を惜しむあまり、次の転職先のことなどを聞いてくる人もいるかもしれません。深い話はせず笑顔で受け流し、次の未来に向けた準備期間と割り切って、穏やかな気持ちで日々の業務をこなしていきましょう。
2. 理由はシンプルに伝える
退職理由は人によってさまざまですが、伝え方に注意しましょう。
上司へ相談するときに唐突に「辞めます」と切り出すのではなく、「今後の働き方について相談したいことがあります」といった形で、少しワンクッションを置くと受け入れられやすくなるかもしれません。
勤務体制や人間関係に不満があって退職を決意する人も少なくないでしょう。しかし退職を申し出るときに感情的に不満をぶつけるのはあまり印象がよくありません。特に人間関係については言い過ぎないようにしましょう。退職を申し出るときは感情的にならず淡々と伝えます。「家庭の事情」や「スキルアップのため」などと退職理由を隠すのではなく、退職の経緯を話すことは管理者にとってその後の職場環境の改善につながるヒントになります。
3. スムーズに有給を消化するコツ
退職時に悩むことの一つが有給消化です。産休に入るスタッフがいたり退職者が重なったりすると、有給消化が難しいこともあります。暗黙の了解で有給消化の遠慮を求められるケースがあるかもしれません。しかし退職時に残っている有給休暇を取得することも、労働者に認められた権利です。一方で、円満な退職のためには、退職日や引き継ぎの予定を確認しながら、早めに相談しておくことが大切です。次のステップに進むための大事な休息、準備期間と捉えましょう。スムーズに有給を消化するためのコツは、早めに相談、退職を切り出したときに有給消化の意向を伝えておくことです。有給消化することを前提にスケジュール調整をお願いしましょう。
4. しっかり引き継ぎする
円満退職のカギとなるのが引き継ぎです。丁寧に引き継ぎましょう。自分が退職したあと、後任や同僚が困らないように配慮しなければなりません。業務内容や注意点を整理し、メモや資料としてまとめておくと良いでしょう。また、担当患者さんの看護サマリーも重要な引き継ぎ事項の一つです。記載漏れがないよう、要点をわかりやすく整理しておきましょう。引き継ぎがおろそかだと同僚に負担がかかるだけでなく、患者さんの安全やケアの質にも影響を及ぼすことも。最後まで責任を持って対応する姿勢が、職場との良好な関係を保ちつつ円満に退職するカギとなります。
5. 最後まで丁寧に仕事をする
退職が決まると急に気が緩んでしまうかもしれませんが、退職最終日まで気を引き締めて業務に臨みましょう。最後まで誠実に働くことが重要です。とくに看護師は人の命を預かる仕事です。少しの気の緩みが事故につながるおそれがあります。「どうせ辞めるから」と気を緩めるのではなく、これまで通り丁寧に業務に取り組むことで、周囲からの信頼を保ったまま退職できるでしょう。
まとめ
退職は決して悪いことではなく、自分のキャリアや生活を見直す大切な選択の一つです。ただし、伝えるタイミングや退職理由の伝え方、引き継ぎの姿勢によって、職場との関係は大きく変わります。円満に退職するためには、できるだけ早めに意思を伝え、有給消化や引き継ぎについても余裕を持って相談することが大切です。そして、退職が決まったあとも最後まで丁寧に仕事を続ける姿勢が、周囲からの信頼につながります。看護師の世界は、思わぬところで人とのつながりが続くこともあります。今の職場で過ごした時間に感謝しながら、気持ちよく次の一歩を踏み出せる退職を目指しましょう。
ライタープロフィール
【東 恵理】ナースLab認定ライター
看護師、保健師、介護支援専門員。 国公立大学看護学科卒業後、総合病院にて手術室、外科病棟を経験。その後、小規模多機能型居宅介護施設へ。在職中に介護支援専門員資格を取得したことをきっかけに、在宅分野に興味を持ち訪問看護へ転職。一つの働き方に縛られず、フレキシブルな働き方を目指し、ライター業に挑戦。 現在、訪問看護で非常勤として働きながら看護学校非常勤講師や介護士向け研修の講師も務めている。一児の母。
看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」




