看護師14年目、心臓マッサージをしたことがない話

ナースライター 黒兎さゆみ
ナースライター 黒兎さゆみ
看護師が円満退職するコツ~トラブルにならない辞め方とスムーズに辞める人の特徴~

看護師になって14年。「働いていて、一度も心臓マッサージをしたことがない」と話すと、驚かれることがあります。「急変に当たったことがないの?」「いざというとき大丈夫?」そんなふうに聞かれるたびに、不安を感じたこともありました。しかし実際には、配属先や勤務状況によって、急変を経験する頻度は大きく異なります。今回は、急変にあまり遭遇してこなかった看護師として感じてきたことをお話しします。

1. 急変が少ない病棟もある

私がこれまで勤務してきたのは、消化器外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科の3科混合病棟です。
外科には手術目的で入院してくる患者さんが多く、入院前の術前検査で全身状態を確認します。状態によっては手術不可と判断され、入院延期になることも。ある程度病状やリスクのコントロールがついた状態で入院されるケースも少なくないのです。
もちろん急変がゼロというわけではありません。しかし、ICUや内科病棟などに比べると、急変対応に遭遇する機会は比較的少ない環境でした。
実際、泌尿器科や外科系の診療科では、急変対応以外の周手術期看護や退院支援などの役割が大きいと感じます。



2. 急変に当たるかはタイミング次第

病棟勤務時代、所属の病棟で一度も急変がなかったわけではありません。
ただ、自分が休みの日だったり別の患者さんのケアに入っていたりして、その場に居合わせなかったことが何度かありました。同じ病棟で働いていても、何度も急変対応を経験する人もいれば、ほとんど対応しない人もいます。何事も経験があるほど落ち着いて対応できるものですが、急変対応は自分だけではコントロールできない巡り合わせの要素も大きいと感じています。



3. 経験が少ないからこそ意識していること

院内研修で定期的にBLSを学ぶ機会があります。本来なら急変は起こらない方が良いのはいうまでもありませんが、実際の対応から得られる学びもあります。急変は予測できないからこそ「急変」といいます。
その一方で、看護学生の頃に実習先の救命救急センターで聞いたベテラン看護師の言葉が今でも強く印象に残っています。
「急変の前には必ず兆候がある。だから本当の意味での急変はない」
当時はあまり実感できませんでしたが、長年働く中で少しずつ意味がわかるようになりました。だからこそ私は、患者さんの小さな変化を見逃さないことを大切にしています。
「いつもより表情が違う」
「なんとなく呼吸が浅い」
「会話の反応が鈍い」
そんな違和感に気づけるよう、日々の観察を意識しています。


経験が少ないからこそ意識していること

4. 急変対応だけが看護師の役割ではない

病棟で急変が起こると、多くのスタッフがその対応に入ります。しかしその間も、ほかの患者さんのケアは続いています。ナースコール対応やトイレ介助、点滴管理など、日常の看護を担うスタッフも必要です。急変対応に直接入ることだけが役割ではありません。周囲の状況を見ながら自分にできることを考えて動くことも、病棟全体を支える大切な役割だと感じています。



まとめ

急変経験が少ないことに、不安や焦りを感じた時期もありました。しかし、急変経験は配属先や勤務状況に大きく関係しています。だからこそ、今の自分にできることを丁寧に積み重ねていくことが大切なのかもしれません。急変に当たる・当たらないに関わらず、患者さんの変化に気づこうとする姿勢は、どの病棟でも変わらず必要な看護なのです。



ライタープロフィール

【黒兎さゆみ】ナースLab認定ライター
看護師ライター。看護師10年以上。3児のママ。消化器外科、泌尿器科、耳鼻科の混合病棟で勤務し、第1子妊娠。出産後は外来で勤務している。在宅での仕事を目指し、ライターに挑戦中。

看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」


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