助け合える他職種とのコミュニケーション術

ナースライター 野中翔太
ナースライター 野中翔太
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日々のケアの中やカンファレンスなど、多職種との連携に困ったことや悩んだことはありませんか?
患者さんのケアには、たくさんの職種が関わるため、より良い連携が求められます。なかでも私は訪問看護師として従事しているため、利用者さんに複数の事業所が介入していることがあります。そのため、カルテの共有やカンファレンスが限られている場合があるので、よりスムーズな連携が必要になります。だからこそ、利用者さんのためにも多職種とのコミュニケーションが重要です。
今回の記事では、多職種とのコミュニケーションで押さえておきたいポイントをお伝えいたします。


1.コミュニケーションエラーは何故起こるのか?

コミュニケーションとは思いや考えなど、言葉を通じてお互いに伝達することを意味します。また伝達し合うことで、何かを共有するという意味もあり、しっかり伝え合う「伝達の共有」が大切になります。


しかしそれでも起こってしまうのが、コミュニケーションエラー。
こちらは、「送り手の情報が誤っていたり、あいまいであったり、受け手が思い込みで勝手に解釈をしてしまったりした場合に生じるもの」といわれています。


良好なコミュニケーションを行えている時は、患者さんの全体像が多面的に見えていて、それぞれ支援者の役割が明確です。またそれを各職種が認識しているということが多いと思います。

しかし、上手くいっていない時は同じ患者さんをみているのに、各職種で捉えている問題が違っていたり、療養生活に即していないケアの提供をしてしまったりすることがあります。


患者さんを多面的に捉えると住環境、健康状態・医療対応、ADL、IADL等の側面があります。


それぞれの職種が同じ患者さんを見ている面として、例えば入浴を例にあげてみます。入浴には医師、看護師、セラピスト(PT・OT・ST)、ケアマネジャー、ヘルパーなどが関わります。


医師は入浴という行為に対して病的リスクを判断し指示します。


看護師は入浴という動作により病的なリスクをアセスメントして、実際の入浴介助中も状態の評価をします。


セラピスト(PT・OT・ST)は患者の筋力面、可動域面、機能面の評価を行い、入浴における活動機能の評価を行います。


ケアマネジャーは患者さんの自宅の浴室状況を知っているので、それで可能な方法の検討や新たに福祉用具または在宅改修がいるかを評価します。


ヘルパーは身体介護方法を考えます。


上記したものは全て患者さんの入浴に必要な側面です。
しかし、実際にこれら全てが共有出来ていない場合は、更衣やシャワー介助を安全に行えていなかったり、家と病院の環境の違いで入浴出来なかったりということが起こってしまいます。


2.コミュニケーションエラーを起こす要因と解決方法

コミュニケーションエラーを起こす要因と解決方法

同じ患者さんでも、見ている視点が違っていたり、経験によって情報や評価のずれが生じたりすることがあります。


具体的にどのようなエラーが起こるかというと、言葉の「省略」、過去の体験による価値観の「フィルター」、体験から事実とは違った捉え方をしてしまう「歪曲」、また数あるできごとの一つが起こっただけなのに、まるでそのことを当たり前だと捉える「一般化」が挙げられます。


入浴を例にあげれば、医学的知識を実際の介助者のヘルパーさんに伝えていないなどの省略があります。この動きが出来るなら入浴くらいなら出来るだろうというフィルターや歪曲などがエラーに繋がります。


これを聞くと、
「そんなに頻回に同じタイミングで患者さんをみていないのに、多面的な見方を共有することは難しいのではないか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。


しかし、これらは2つのことを意識すれば予防できます。


1つめはそれぞれの職種が患者さんを多面的にみることです。支援の仕方には、リハビリのようなスポットに関わるものから、看護師やヘルパーのように長時間関わるという長さの違いがあります。つまり、スポットでみている評価と療養生活の中で見せている姿は違うかもしれないのです。他の職種がみている時はどういう評価をしているのか?と意識することが大切です。患者さんは「多面的な存在である」と共有していくことで、情報の漏れを減らします。


2つめは頭の中のイメージを出来るだけ具体的に言葉に表すことです。
「いつ」
「どこで」
「だれが」
「どのように」
これらを会話の中に入れると、しっかり伝わりやすくなり、コミュニケーションエラーを防ぐことが可能です。


3.より質の高い他職種連携をするために

より質の高い他職種連携をするために

コミュニケーションエラーを減らす方法を前述しました。
ではそれを活かしてより質の高い他職種連携をしていくためにはどうすれば良いのでしょうか?


それは、他職種が関わる場で得られる情報を事前に教えてもらうよう、こちらから伝えておくことです。
患者さんを多面的にみるように意識するといっても、全てをみることは物理的に無理です。ですが、それをみている支援者と情報を共有することでより正確で必要な情報が手に入ります。他職種もどこに注意すれば良いのか分かるため、安心して支援できます。


「他職種が患者さんのどの面をみているのか?」
「自分はどの面の情報が必要なのか?」
という点を考えて連携を図ってみて下さい。


まとめ

助け合えるコミュニケーションのためには、共通認識とそれぞれが見ている側面を理解し、それを自分から取りに行くという姿勢が大事です。そうすることで、漏れなく患者さんに安心で安全なケアを提供できます。


自分だけで情報を収集して整理するのは多忙な業務の中では難しかったりします。ぜひ他職種と連携して明日から助け合える関係を築いていただければと思います。


~ライタープロフィール~

【野中翔太】ナースLab認定ライター
静岡県出身。1児の父。人情を学びに大学入学と共に関西へ。ジェネラリストを目指して救命センター4年、精神科2年、訪問看護2年を経験中。他にも災害対策チームへの参加や全国訪問看護師ボランテイア団体「キャンナス」にて被災地での医療ボランティア、旅行・結婚式への付添いを行う。その経験から現在は旅行支援事業「リスタートトラベル」の看護師代表を務める。新しい看護師の働き方を求め、現在は場所や時間に捉われないライティングや動画編集に挑戦中。今後も好奇心の赴くまま様々なことにチャレンジしたい!
・旅行支援事業 http://restart-travel.com/
・Sieg(ジーク)訪問看護ステーション(ブログ担当) https://sieg918.com/


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