妊娠や出産、進学や転職など、ライフスタイルに変化が起こった時に悩むのが働き方。そういう時に、派遣ナースという働き方を選択するのも一つではないでしょうか。
常勤とは別の働き方として、派遣ナースという選択肢があることを知っている人も多い反面、実際に働いたことがある人は少ないように思います。今回は派遣ナースの実際を知ってもらえるよう、派遣ナースのあるあるについて紹介します。
目次
・自分のライフスタイルに合わせた働き方を選べる
定められた時間を働かなければならない常勤ナースと違って、派遣ナースは働く時間を比較的自分で決められます。そのため、子どもと過ごす時間がほしいから週2-3日だけ働く、家族の時間を大切にしたいから土日は休みに、今月はハードに働いたから来月は休んで海外で過ごすなど、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選んでいる人が多くみられます。
しかし、勤務時間数によっては派遣会社の社会保険に入れないなどの条件もあります。収入や社会保険、休みの日数など、自分が何を優先したいかをよく考えることも大切です。
・即戦力が当たり前の空気感がある
派遣先では即戦力と思われることがほとんどと思っていいでしょう。派遣先によっては、オリエンテーションがないこともあります。しかし、回数を重ねるごとに働くうえで聞いておくべきことがわかってくるので、自分なりの質問リストが出来上がります。その内容をこちらから先に確認することで、オリエンテーションがあまりない派遣先でも、比較的早く業務の流れを把握することが可能になります。
ポイントとして、一にも二にもいろいろな物品の保管場所の把握が先決です。次に人間観察をして、聞きやすいスタッフを見つけましょう。この二つでなんとか当面はのりきれます。加えて、私の場合は業務マニュアルがあるかどうかということと、汚物室での物品洗浄の仕方などを早めに確認するようにしています。
・終業時間はきっちり守る
自分の仕事が終わっても他のスタッフが終わっていなければ、気をつかって帰りづらさを感じたことはないですか。派遣ナースの場合は雇用元が異なるため、病院側がなるべく残業させないようにしているので、常勤ナースに「帰ってくださいね」と声をかけてもらうことがよくあります。そのため仕事が終わったら、気をつかうことなく終業時間とともにさっそうと立ち去るようになります。
・委員会や病棟会への参加がない
常勤ナースは仕事が終わってなくても、忙しくても、時間外でも参加しなければならない委員会や勉強会が数多くあります。業務が終わらないとわかっているのに、出席しなければならないことも多く、負担を感じている人もいるのではないでしょうか。
派遣ナースは雇用元が違うため、委員会や病棟会などへの参加は求められません。
・ボーナスはないけれど時給は高め
派遣ナースでつらいことはボーナスがないこと。常勤ナースが、ボーナス時期に浮き足立ってくる時も、派遣ナースにはいつもの日常です。しかし、パートやアルバイトよりも時給が高めに設定されていることがほとんどなので、どの程度の収入を希望するかなどを考えながら勤務時間を検討しています。
・込み入った人間関係に関わらなくていい
人間関係の悩みで退職を考える人がいるほど、職場の人間関係は気になるものです。
派遣先では外部の人扱いになるため、先輩後輩や上司などの込み入った人間関係のしがらみがありません。また、何か気になることがあっても、派遣先ではなく雇用元である派遣会社に相談できるというのもいいポイント。期間も決まっているため割り切って働くことができます。
・配属部署の裏情報を意外と知っている
派遣ナースは、時として派遣先の情報通になることもあります。外部の人と認識されているからか、管理者から新人さんまで、いろいろな世代の悩みを聞くこともしばしば。複雑な人間模様を感じながら遠くから眺めます。
・経験豊富でも時給は一律
派遣ナースもいいことばかりではありません。ベテランナースと言われる世代になっても、経験加算がないため、経験年数の長さに関わらず時給は同じです。派遣先で業務にどれだけ貢献しても、時給アップはなかなか難しいことが少し残念な部分です。
・派遣ナース同士で仲間意識が芽生える
派遣ナースには派遣なりの悩みや思うことも少なくありません。そのためか、派遣先で同じ派遣ナースに出会うと、妙に仲間意識が芽生えます。その部署での注意点や悩み、他の派遣先の情報共有など、共通の話題で盛り上がることも。派遣仲間が他部署にも広がり、食事会をしたり、派遣期間が終了後もいい関係が続いたりすることもあります。一つの職場では出会えないような、いろいろな経験をしている看護師が多く、視野が広がります。
まとめ
派遣ナースの働き方は、いろいろな経験ができたり、新しい仲間に出会えたりと楽しい反面、社会保険や待遇面などデメリットも少なからずあります。しかし、仕事時間や業務内容を選択できるメリットを生かし、ライフスタイルに合わせて上手に取り入れることで、「自分らしいナースライフが送れるかも」と、期待させてくれる魅力的なの働き方の一つではないでしょうか。
ライタープロフィール
【mie】ナースLab認定ライター
看護師歴24年。福岡県出身。
2次救急病院で18年勤務する。離島医療やホスピス、応援ナースなど、様々な分野を経験。その中で、患者はもちろん支える家族やスタッフも心に葛藤や不安を抱えていること、自分が満たされていないと、与えることは出来ないと気づき心のありかたに興味を持つようになる。ヒプノセラピスト・レイキマスター・逆視道認定講師など資格を所得し心の学びを深める。自分の心に従い看護師をしながら新しい働き方を見つけるためチャレンジ中。
趣味は韓国旅行。一か月ほど現地で暮らした経験をもつ、好奇心あふれる行動派ナース。
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