看護師あるある~化学療法センター編~

ナースライター 大久保真菜美
ナースライター 大久保真菜美
看護師あるある~化学療法センター編~

化学療法センターは、がんの患者さんが化学療法を受けるために外来通院するところです。看護師の主な仕事として、抗がん剤の点滴管理、副作用の把握や指導があがります。抗がん剤はがん細胞を破壊する反面、正常な細胞までも破壊するため取り扱いに注意が必要であり、一般の外来とは隔てて管理されていることが多いです。今回は、そんな離れ小島にある化学療法センターに勤める看護師の「あるある」エピソードをご紹介します。



薬剤師さんに頼りがち

抗がん剤の多くは、患者さんの身長・体重に合わせて適切な量が投与される必要があります。薬剤管理が厳重なため、部署には必ず専属の薬剤師が必要です。薬剤の作成から投与量の管理、副作用について等、困ったことがあれば薬剤師さんになんでも相談してしまいます。



血管確保のしやすさで患者さんを覚えてしまう

化学療法センターでは定期的に同じ患者さんが来院します。「この患者さんは確かここにしか血管が見当たらない。」「この患者さんは血管あるけど動くから要注意だ。」と血管確保のしやすさで患者さんを覚えてしまうことが多いです。



患者さんとはすぐに顔なじみになれる

化学療法を受ける患者さんの通院期間は長くても1か月前後、短いと毎週や数日連続で来院することもあります。そのため患者さんとはすぐに顔見知りになります



子育て世代の看護師が多い

一般的な外来と同様、化学療法センターには夜勤がありません。患者さんの治療も基本は予定を組んでから来院するため、緊急対応は少ないです。抗がん剤の投与時間によっては残業が発生することもありますが、頻度は少なく子育て世代が多い働きやすい現場です。



滴下調整のスペシャリストになる

滴下調整のスペシャリストになる

複数の患者さんが同時に点滴している状況のため、自然と点滴管理が上手くなります。薬剤によって点滴速度が全く異なるので、点滴の早見表を持参しているスタッフが多いです。



薬剤のパンフレットが多すぎる

抗がん剤の種類は年々増えており、薬剤の数だけ患者さん向けパンフレットも用意しています。筆者の部署は棚いっぱいにパンフレットで埋め尽くされおり、探し出すのも一苦労です。



点滴中はお悩み相談の場になる

化学療法を受けにくる方は「手術後の補助目的」や「手術適応でない、転移や末期癌の延命目的」など患者さんによって目的が異なります。治療に対して不安を抱えている方が多く、点滴中はお悩み相談のよい場になります。



薬剤の略語が読めない

抗がん剤は種類も多く、名称も長いものが多いため略語を多用します。「ENCO+BINI+CET療法」「nal-IRI+5FU/LV療法」何と読むかわかるでしょうか。まるで異国に来たようではありませんか?



まとめ

化学療法センターは抗がん剤を取り扱うため、血管確保から点滴投与まで管理に注意が必要な部署です。薬剤の名称やコースを覚えるのに苦労しますが、慣れてしまえば流れが一貫しているため、夜勤なし、残業が少なめの子育て世代が働きやすい環境です。興味を持った方、ぜひ化学療法センターを覗いてみてくださいね。



ライタープロフィール

【大久保真菜美(おおくぼ・まなみ)】ナースLab認定ライター
看護師。群馬県在住の二児の母。整形外科病棟、脳卒中センター、外来、化学療法センター経験あり。学生の時よりも勉学に興味があり、朝活を利用して読書や勉強に精進する日々。自分の天職を見つけるために10月から訪問看護の道へ。

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