
通勤時間を短くしたい、子育てと両立させたい、夜勤をしたくないなどの理由から、近隣のクリニックでの勤務を検討することはありませんか?クリニックと一言で言っても、多くの診療科目が存在します。どの科目にも共通することは、地域の方々にとって身近な医療機関であり、地域医療を支えている点です。私の経験から、職住近接クリニックで働くメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
固定休、定時退勤で働きやすい
フルタイムでの勤務や、午前のみもしくは午後のみのパートタイムでの働き方があります。クリニックによっては、週1回の勤務でも可としているところもあります。夜遅くまで診察をしているところが増えているので、小さいお子さんをお持ちの方は、午前のみパートをしている方が多いです。また、固定休のところが多いので、休日の計画が立てやすいのが利点です。
季節によっては診療が込み合うこともありますが、大体は定時で帰れます。
長い昼休みを有効活用
クリニックは午前診療と午後診療の間が長いです。休憩室でお昼寝をしたり、自宅が近い場合は一度帰宅をしたり、有意義な時間の過ごし方ができます。
ただ、昼休みが長いので、一日の拘束時間が長く感じることもあります。また、私は、昼休み中に夕飯の買い出しをしていたのですが、その荷物を持って、退勤後に子供を保育園に迎えに行った際にはお迎え前の買い物だと誤解を受けたことがありました。昼休みが長いことを説明して、理解を得ることはできましたが、気を付けなければいけないと思った出来事でした。ちなみに、買い物をした荷物は休憩室の冷蔵庫に入れておくのですが、職場を出てから持ち帰ることを忘れたと気づくことも。ロッカーに「冷蔵庫」と書いた付箋を貼って対策をし、お互いに声を掛け合ってから帰るようになりました。
街で患者さんとばったり
家の近くのクリニックに行く患者さんは多いと思います。自分も、家から近いクリニックに勤務するので自然と、スーパーやコンビニなどでばったりとお会いすることになります。制服を着ていないと認識されないことが多いので、相手が気づかれていない場合はこちらから声をかけることはありません。
また、通院していることが他者に知られたくない方もいますので、「クリニックの看護師です」と声をかけてしまうと迷惑になることもあります。反対に、「看護師さん」、なんて声をかけられることもあるので、気を抜けない瞬間でもあります。
患者さんを深く知り、患者さんに教わる
クリニックには定期通院される方がいます。お顔を拝見すれば、どのような病気で、どのような薬を飲んでいるのか、さらには嗜好品も覚えるのはたやすいです。また、旅行のお土産や、お菓子の差し入れなどいただくこともあります。
帰りに近くのスーパーで買い物をするという患者さんに、卵の特売情報を教えてもらったり子供連れで入店可能な飲食店の情報を教えてもらったりすることもあり、ついつい話し込んでしまうことも少なくはありません。
急なお休み、事務スタッフがカバーも
自分や家族の急な体調不良や、子供の行事でお休みすることがあると思います。クリニックによっては人手が足りなく、なかなか休めない環境もあります。
私が勤めていたクリニックでは職員が少なく、なかなか休みづらい環境でした。しかし、皆子育て中の親なのだからお互いに助け合うことが当然だ、というところもあります。経験上申し上げますと、事務員さんもお手伝いしてくれる場面もあり、一人休んでも実際には業務は回ります。
清掃、事務、広報も仕事のうち

クリニックではスタッフが少ないので、看護業務ではなく雑務もたくさんあります。一部としては、クリニック内の清掃、薬品管理、カルテ整理、ホームページの見直し等があります。
「看護業務しかやりません」という方もいますが、人数が少ないのでほかのスタッフにしわ寄せがいくことになります。看護業務に集中して仕事をしたいという方には、あまり向かないかもしれません。
まとめ

クリニックでの勤務についてイメージしていただけたでしょうか。地域に根差した医療を行う拠点なだけに、働き方は病棟と異なります。時間に余裕を持った働き方ができるのが利点ですが、看護業務以外の雑務もあることを理解していただけたらと思います。経験のある診療科目でなくても、歓迎してくれるクリニックもあります。勤務時間を含め、働き方は多種多様ですので、選択肢の一つにいれてみてください。
~ライタープロフィール~
【みりかしママ】ナースLab認定ライター
看護師。埼玉県在住4児の母。約8年のブランクを経て、クリニック勤務で復職。様々な症状で来院する患者さんへの対応で経験不足を実感し、10年ぶりに総合病院での勤務を決意。現在は整形外科病棟で奮闘中。
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