看護の資格を自分に活かすパラレルキャリアの築き方②
ー自分のパラレルキャリアを発見!ワークをしてみようー

一般社団法人メンターナース代表理事 湯本枝里子
一般社団法人メンターナース代表理事 湯本枝里子
看護の資格を自分に活かすパラレルキャリアの築き方①ー自分のパラレルキャリアを発見!ワークをしてみようー

先日、東京ビックサイトで開催されたナースまつり2024では「看護師ってスゴイ!からはじまるパラレルキャリアの描き方」と題したワークショップを開催しました。

そのワークは「私が選んだ『看護師×○○』が実現した世界」をみんなでシェアするという、看護師としてはちょっとめずらしい、イメージワークです。

その内容をちょっとだけお教えしますね。



参加者が実現したい世界とは...

● 真の健康を導くスナックのママ

● 一人ひとりがカラフルに輝ける世界のサポーター

● がんばっている人が報われる世界をつくる

※実際に発表していただいたものを一般化して主旨だけ記載しています。


一見、抽象度が高く、これが看護?とも思えます。ここからどんなパラレルキャリアが生まれるのでしょうか?詳しく紐解いていきましょう。

「スナックのママ」といえばお酒のイメージで「健康」とは一見すると真逆のようです。しかし、その真髄は、相手の魂に訴えかけるように対話できる包容力のある女性。これを看護に置き換えるとしたら、相手の魂に響く患者指導なのかもしれません。
ただの患者指導ではなく、相手の魂までも受容しながら、真の健康に導くバージョンアップした看護師の姿を語ってくださいました。

次の方のキーワードは「一人ひとりがカラフルに輝く」です。自分らしくイキイキとしているイメージで、看護で例えるなら「個別性の看護」かもしれません。個人の人生までも輝かせサポートできる看護師の姿を笑顔でお話しくださいました。
さあ、どんな風に患者さんをサポートしようかしら?...そう思うと、さらにワクワクしてきます。

3人目は「がんばっている人にスポットが当たった世界」。がんばっている人は無理をしすぎて病気になりがちです。そんながんばっている人が報われたら、この世から病気を減らせるかもしれません。
そして、がんばっている看護師にスポットが当たったら、もっともっと働きやすくなる環境が作れそうですよね。「研修にたくさん出ている人には、報酬が出る!」という具体案も語られていました。

このように、抽象度が高いイメージから、実現できる事柄や方策に絞っていくと、看護師である強みにスポットライトが当たります。

看護師一人ひとりが活躍できるフィールドを広げていくことができたなら、看護師はもっと自由に、豊かに働けることにつながっていくことを、私は心から信じています。

参加者が実現したい世界とは...

ナースまつりでのワークショップの様子



看護師にパラレルキャリアをおススメする理由

具体的にパラレルキャリアとは、本業を持ちながら他の企業に勤めたり、起業したり、ボランティアや社会貢献活動をしたりするなどが挙げられます。また、スキルアップや自己実現の達成など、必ずしも収入につながらない活動も含まれます。

医療業界は広いようで狭く、さまざまな業界の中の一つでしかありません。ですから本業以外の活動をきっかけに、いろんな業界に触れ自分の人生が豊かになっていくことが、パラレルキャリアの魅力です。具体的には以下の5つです。


看護師がパラレルキャリアを選ぶメリット5つ

● 医療業界に限らず、多様な価値観が得られるチャンスとなる

● 自分のやりたいことや得意なことなど、自身を知るきっかけとなる

● 経験が広がるので、柔軟性やスキルが身につく

● 自分で選択することが増えるので、自信につながる

● 今後のキャリアの選択肢が増える


例えば、先ほどの例では、スナックのママなら、飲食業界や経営に触れることでしょう。2つ目の場合なら、カラフルを追及すると、色彩やアート、そして心理といった目には見えない世界の勉強にも、自然と関心が向くかもしれません。

このように関心があることに夢中になり、気が付いたら、自分の世界はとっても広がっていたということになります。



すぐにできるパラレルキャリアワーク

パラレルキャリアのワークは、まず初めに「何をしようかな?」って考えることがスタートです。その時にはこんな風に考えてみてください。

看護師であることが、すでに「あなたの強み」になっているので、まずは看護師を軸に、何をかけ算していくのか?という考え方です。

看護師×○○

この○○には、自分の好きなことや得意なこと、大事にしたいことなどを入れてみてください。「食べる」「寝る」などの動詞でも構いません。「デザイナー」「ケーキ屋さん」などの職業名でもいいでしょう。「専門看護師」「○○検定」などの目指しているキャリアアップの資格もよさそうです。
けれど、職業名や資格など決められない場合も多いかと思います。その時には「まじめ」「器用」といった自分の特性や「お花」「鳥」といった好きなものの名詞を入れて、看護とかけ合わせて実現したい世界をイメージしていくと、具体的な行動や方策、取得したい資格などにつながっていきます。

私の場合は、ここに「聴く」を入れてみました。「看護師×聴く」です。
すごくシンプルですよね。こういった、シンプルで簡単なことでいいのです。
しかし、このキーワードがきっかけで「メンターナース」という新しい活動ができ、パラレルキャリアを築くことができました。



まとめ

メンターナースとして活躍する仲間の看護師に、ご自身のパラレルキャリアについてお聞きしました。
彼女は、訪問看護とヒーリングなどの活動も含めて「私のようなパラレルキャリアの魅力は、それぞれの経験や学びがそれぞれに生かされ、豊かさがかけ算以上になることです。」と話して下さいました。訪問看護にも、ヒーリングにも、そしてメンターナースとしても相乗効果となって、彼女を豊かにしています。そして、彼女と関わるすべての人に、その豊かさが伝わっていく。そうやって、豊かさの波が広がっていくイメージが私の「看護師×聴く」と重なり、どんどんと変化して成長していくと感じます。そう思うだけで私のこれからが楽しみでなりません。
看護職として一つを極めることも素敵なことです。ですが、もし、自分らしい人生を考えたときに「もっと何かできそうだ」と思えたなら、ぜひ、パラレルキャリアという選択肢があることを、思い出してみて下さい。

これを読むみなさまが、どうか、楽しく心豊かな看護師人生を、そして、あなたらしい人生を歩まれることを、心から応援しています。



ライタープロフィール

【湯本 枝里子】一般社団法人メンターナース代表理事
大学病院の看護師から看護専門学校の専任教員を経て、看護師専門のキャリアコンサルタントとして活動。現在は、一般社団法人メンターナースの代表理事として病院へメンターシップを導入し、看護師との面談実績は1,000名以上。
自身が幾度となく看護に疲弊した経験から、看護師は、自分軸となる人生設計「キャリアデザイン」を描く大切さを実感。看護師の人生を豊かにするために資格を活かす、キャリア構築の普及に尽力している。

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