看護師あるある~冬・雪のリゾート編~

ナースライター みずいろ
ナースライター みずいろ
看護師あるある~冬・雪のリゾート編~

看護師の働き方として人気のリゾート看護師。夏から秋にかけて求人情報が公開される冬のリゾート看護師とは、主にスキー外傷診療のある病院やクリニック、スキー場救護室などで、12月~3月の雪景色に囲まれた冬のリゾート地で勤務する看護師のことです。夏のリゾート地とは違った魅力が詰まった冬のリゾート看護師のリアルな仕事の魅力と生活についてのあるあるを紹介します。



雪の怪我の多さと怖さに驚く

冬のリゾート地では、スキーやスノーボードなどゲレンデスポーツによる怪我が頻繁に発生します。四肢だけでなく鎖骨や肋骨、脊椎など全身の骨折や脱臼、その他にも頭部外傷や全身各部位の挫創など多くの外傷患者の対応に追われます。

観光客がピークになる年末年始や連休中は、多くの患者であふれ返り、まるで戦場のよう。中には、骨盤や大腿骨の骨折、脊椎損傷など緊急手術を要するため、雪山リゾート地から都市の大学病院にヘリ搬送される重症患者も。リゾート看護師として他県から入ると想像以上の怪我の多さと怖さに驚きます。



優待価格で楽しめるスキー場や温泉に惹かれる

優待価格で楽しめるスキー場や温泉に惹かれる

冬のリゾート地で働くリゾート看護師の特権として、スキー場や温泉の利用料金が優待されることがあります。筆者である私は趣味のスノーボードを満喫したかったため、リゾート看護師として長野県での診療介助に携わりました。求人情報に書かれていた複数のスキー場のシーズンリフト券がもらえるという特典に魅力を感じ、応募を決めたのです。休日はもちろん、日勤終わりでも無料でナイターを満喫することができました。

また、スキー場といえば温泉ですが、地域の温泉施設を無料で利用できるパスも借用できたため、雪景色の温泉を楽しめたのも印象的です。リゾート地で趣味を満喫しながら働けるのは、リゾート看護師の大きな魅力の一つです。



雪国生活の初体験

雪国生活の初体験

リゾート看護師のあるあるとして、雪国生活での初体験が挙げられます。スノーブーツや防寒着など都市生活で使用しているグッズでは、雪国生活に対応できず買い替えることに。クリニックや救護室の出入口の除雪作業から始まります。



方言や地元の人の優しさに触れる

リゾート看護師にとって地元の人々との交流は、心温まる経験です。地元の風習や方言に触れながら、地元の方々の優しさや温かさに癒され地域に溶け込むことができると「帰りたくない」「ここで暮らすのもいいかも」という思いになることも。他県の看護師とはいえ、怪我している患者や体調不良の患者に関わっていると、感謝や励ましの言葉をいただく機会が多く孤独感やさみしさを感じることなく過ごすことができました。



名物にはまる

リゾート地には、その土地ならではの名物があります。私は、大好きな長野県の銘菓「雷鳥」をたくさん食べました。また、信州名物のおやきには、焼きおやきだけではなく蒸しおやきや揚げおやきがあることを知り、カリカリに揚がった揚げおやきにはまったものです。今でも冷凍揚げおやきを取り寄せして家族で楽しんでいます。



同郷の患者に出会う

冬のリゾート地には他県からの旅行客が多く、同郷の患者さんともたくさん出会いました。せっかくの旅行中に怪我をして落ち込んでしまう患者さん、痛みをこらえながら帰宅するために長距離の移動が必要な患者さんなどさまざま。同郷の話ができてうれしい反面、痛みとショックに寄り添いつつ鎮痛剤の服用方法やクーリングについて注意事項を伝え、無事に帰宅できるよう励ますことに力が入りました。



外国人観光客も多い

冬のリゾート地には日本の雪を求めて外国人観光客も多く訪れます。中国や韓国、欧州、豪州からの観光客が外傷や体調不良で来院することもしばしば。外傷の部位や程度によっては、帰国時のフライト中の気圧の変化が痛みや固定具に影響するリスクを考慮し、宿泊先や旅行会社との連携も必要です。英語や中国語、その他の言語での対応が求められることもあり、国際的な交流が楽しめるのも魅力です。



テレビ撮影やロケ現場に立ち会うことも

リゾート看護師として勤務していると、テレビ番組や映画の撮影に立ち会うことも多く、偶然有名人を目撃したり、エキストラとして撮影現場に参加できたりする機会も。私が勤めたクリニックでは、スキー場で受傷した人をどのように搬送し、どんな処置や治療が施されるかというスキー場パトロールのドキュメンタリー番組の撮影に参加。看護師としてテレビ出演できる機会に恵まれたり、撮影スタッフと交流できたりするなど非日常な経験ができました。



忙しいシーズン以外はのんびりとした診療業務

オフシーズンは比較的のんびりと業務を進められるのが、リゾート看護師の特徴です。
冬のリゾート看護師は11月の後半から4月ごろまでの期間限定で勤務することが多いです。降雪状況によりますが晩秋や春先など雪が少ない時期は、1日に来院する患者数が数えるほどになることも。3月下旬、春の訪れとともにスキー外傷よりも登山者の外傷が増え始めると、冬のリゾート看護師業務の終わりが見えてくるのです。



まとめ

冬のリゾート看護師の仕事は冬リゾートならではの魅力がいっぱいです。忙しい看護師業務をこなす日々の中にも、充実感と新しい発見が詰まった冬のリゾート看護師生活。興味がある方は夏から始まる冬リゾート看護師、スキー場看護師の求人情報を探し、機会があればぜひ体験してみてください。



ライタープロフィール

【みずいろ】ナースLab認定ライター
看護師歴は20年以上。病院勤務(呼吸器内科6年、神経内科2年) 、デイサービス、訪問入浴、訪問看護を経験。現在は子育て時間を優先するためライター活動を中心に時短勤務中。

ナースLabホームページ:https://nurselab.net/home


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