世の中にはさまざまな業種があります。看護師として働いていると他の仕事とは違った、または固定されたイメージが付きまとうこともしばしば。その中でも看護師以外の仕事をしている人たちから皆さんがよく言われているであろうことや、実際私が言われたことをご紹介します。
目次
「優しそう」「白衣の天使」

この言葉は看護師なら誰しも一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
一般の方が自分が心身ともに弱っているとき、親身になって話を聞いてくれたり介助してくれたりする看護師に対して抱くイメージだそうです。確かに、患者には優しく接するように心がけています。とはいえ、終始優しく接するのは難しいかもしれません。なぜなら、体の事を考えてあえて厳しく言わなければいけなかったり、人間なので終始感情を一定に保つのも難しかったりするからです。そんな中、常に優しいイメージを期待されるとちょっと違うよ、と言いたくなります。
「厳しそう」「気が強そう」
先程の逆のパターンで、特に看護師と接する期間が長い人や家族に看護師がいる人は「怖い」というイメージを持つ方も。普段は優しくても「怒らせたら怖い」と思ってしまうようです。こちらとしては命にかかわる仕事であること、環境的に常に緊張感をもって仕事をします。厳しさもあって当然ですが、一般の方にはややネガティブなイメージとなってしまうようです。
「夜勤大変そう」
看護師にとっては当たり前の夜勤も、一般の方にはあまりなじみのない働き方です。
自分が寝ている時間に働いているのですから、大変だと思うのも当然だと思います。また同居している私の家族からは「何時から何時まで働いて休みがいつかわかりにくい」といった感想も聞かれました。
実際、体調が崩れる、周りと生活サイクルが合わないなど大変なこともあります。しかし夜勤手当がある、平日の日中にフリータイムが取れるなど、ちょっとしたメリットもあるので頑張れるものです。
「病気のことをいろいろ教えてくれそう。教えてくれる?」
病院に行くまでもないと思っている体の不調に対して「看護師だから聞いてみよう」と考え聞いてくる方が多いものです。親戚が集まった時などに多いシチュエーションではないでしょうか。こちらとしては医師と違って診断は下せないので「気になるなら病院へ…」というしかないのが本音です。「病院に行きたくないから聞いたのに」と思う方もいるでしょうが、私がこの状況になった時は「専門職が言っているのだから病院に行ってみよう」と思わせるように誘導しています。
「看護師って他の仕事より稼いでそう」
国家資格を持つ専門職であるためか、給与面で恵まれていると感じる方もいます。実際「免許があればどこでも働けるし給料いいでしょう?」とも聞かれます。
しかし、働いている医療機関で差はあるものの、実際の給与は夜勤があってのもの。また、パートや単発勤務での時給を見ても一般の職業と大きく差がないのが現状です。こんな時「身を削って稼いでいるな」と感じてしまいます。
「介護の仕事と何が違うの?」
この一言は、実際に私が働いているところを見たことがない小学生の私の息子に言われました。どうしてか聞くと「看護師さんは患者さんのお世話をするでしょう?車いすを押したり、お母さんが患者さんをお風呂に入れたりしたって話も聞いたし。だから介護士さんと区別がつきにくいかなって思った」とのことです。病院や施設で働いていると特に区別がつきにくいのかな、と感じた一言でした。その後息子には介護士と看護師は違う資格であること、どちらも大事で重要な仕事であることを説明したのは言うまでもありません。
まとめ
イメージとのギャップはあるけど、魅力も多い看護師の仕事
看護師という職業は固定され、長く蓄積されたイメージを持たれることが多く、一般職の方からはそのイメージに沿った感想を持たれることが多いようです。
しかし、知らない仕事はたいていイメージが先行しやすいもの。実際看護師として働いていると、看護師になるまで知らなかった知識や経験を積むことで自分の成長を感じます。そして患者さんを助けたのち元気になっていく姿を見る事や、感謝の気持ちを伝えられたことで得られるやりがいは看護師ならではの魅力です。
私自身も、大変なこともうれしいこともいろいろ経験しながら看護師として働いていけたら、と思っています。
ライタープロフィール
【雪猫堂】ナースLab認定ライター
看護師。北海道出身、在住。看護学校卒業後2か所の総合病院でリハビリ病棟、整形外科の看護を経験。現在訪問看護ステーションで非常勤として勤務している。小学生2人の母親でもありワークライフバランスのあり方を模索中にライター業に出会う。
看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」




