実レポ!訪問看護ステーションで働く看護師のリアル

ナースライター 雪猫堂
ナースライター 雪猫堂
実レポ!訪問看護ステーションで働く看護師のリアル

高齢化が進み、自宅で療養される方が増加傾向です。そのため、訪問看護ステーションで働くという選択肢に関心が高まっています。
「訪問看護に興味はあるけれど、実際の働き方がわからない」「病院とは何が違うの?」といった疑問をお持ちの看護師さんもいるかもしれません。私の訪問看護ステーションでの勤務経験から「よくある質問」や「仕事内容」「患者さんの状況」そして「どんな人が向いているか」までわかりやすく解説します。

よく聞かれる質問3選!

まずは訪問看護に関心のある方から、特によくいただく質問、疑問3つにお答えします。


「1人で訪問するのは不安です。危ないことはありませんか?」

訪問前に利用者さんの情報を共有し、リスクが考えられる場合は複数名で訪問したり、ケアマネージャーやご家族と連携したりします。そのため、1人での訪問が特に危ないということはありません。初めての訪問時には先輩看護師が 何度か同行し、指導を受けながら訪問します。一人で訪問するようになっても、困ったことがあれば、事業所や他の看護師に電話で相談できるので心配無用です。私も5年ほど勤務しましたが、危ない目に遭ったことは一度もありません。



「医療処置は多いですか?」

病院と比べて急性期の処置は多くありません。ただ、点滴や褥瘡ケア、胃ろう、ストーマ、在宅酸素、終末期ケアなど、幅広いスキルが求められることもあります。医療処置ばかりをすることは多くありませんが、看護師として患者さんに寄り添ったケアを提供することが大切です。



「残業は多いですか?」

まったくないとは言えませんが、病棟の時よりは格段に減ったといった印象です。訪問看護は基本的に1人当たり30分か60分、私が働いている事業所では1日に4~5件訪問することが多かったです。ですから就業時間内に全ての業務が収まるようになっていました。しかし、利用者さんの都合で予定の時間に訪問できない、移動に時間がかかる、緊急訪問が発生、訪問以外での他部署との会議、報告書作成などで残業になることもあります。とはいえ実際のところ、頻度は2週間~1か月に1回程度だったのでかなり残業は少なかったと思います。



訪問看護ステーションとは?

訪問看護ステーションとは、医師の指示に基づき、自宅で療養される方のもとへ看護師が訪問し、医療ケアの提供や健康を管理する事業所です。
医師からの訪問看護指示書に従い、医療処置や健康管理、リハビリ、ターミナルケアなどを提供します。病院とは異なり、患者さんの自宅や施設へ直接訪問し、患者さんの「生活」に寄り添い、健康維持に必要な看護を提供する点が大きな特徴です。事業所から車や自転車、徒歩でご自宅まで移動します。また、医師、ケアマネジャー、リハビリスタッフ、ヘルパーなどと連携しチームで医療・介護を提供しています。
また、訪問看護ステーションは24時間365日対応していることが多いです。夜間帯に何かあった際に相談できるのは、患者さんやご家族にとってとても安心です。多くの場合、看護師が夜間専用の携帯電話を持っており、患者さんやご家族は緊急時に直接連絡がとれる「オンコール体制」をとっています。オンコール当番の日は飲酒を控え、必要時に訪問できる距離にいることを守れば、通常業務終了後は普段通りに過ごすことができます。私の勤めていた事業所では、オンコールは交代制で月に数回程度、一晩の連絡頻度も0~2回程度でした。容態が急変する可能性がある場合や心配な点がある場合は、日中に情報をしっかりと共有しておきます。


訪問看護ステーションとは?

どんな患者さんがいるの?

訪問看護を利用される方は、幅広い年齢層や疾患をお持ちです。
介護保険を利用されている高齢者が多く、慢性疾患や虚弱体質、がん末期、認知症、けがや脳卒中などで麻痺がありリハビリが必要な方々です。また、在宅酸素、人工呼吸器、点滴、ストーマなど自宅で医療処置が必要な方も。医療的ケアが必要なお子さんや精神疾患をお持ちの方も訪問看護の対象となっています。
お子さんから高齢者までが対象のため、生活状況や必要な看護もさまざまです。「病院よりも、患者さんらしさが見える」のが魅力です。



看護師の配置は?

規模の大小にかかわらず、常勤換算で2.5名以上の看護師を配置する必要があります。
ちなみに、私が勤めていた訪問看護ステーションには10名以上のスタッフがいました。
構成は以下のとおりです。

  • ・所長(上長が看護師でない場合もあります。管理者としてかならず看護師を配置)
  • ・看護師(複数名)
  • ・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、リハビリスタッフ(配置していない事業所もある)
  • ・事務スタッフ


訪問看護のやりがいは?

訪問看護は「看護師としてのやりがいを改めて感じられる」といわれています。
一番のやりがいは「患者さんの生活空間で目の前の患者さん一人に対してじっくりと時間をかけて関われること」ではないでしょうか。30分または60分と短い時間かもしれませんが、話を聞いたりケアを提供したりと、その時間は目の前にいる患者さんのためだけの時間。しかも病院やクリニックと違い、自宅という患者さんのプライベートな空間にお邪魔させていただくからこそ自然な姿や実際困っていることを確認でき、援助・助言の繰り返しで信頼関係の構築につながるところもやりがいだと感じています。



こんな方におすすめ

患者さんと丁寧に向き合いたい

・患者さんと丁寧に向き合いたい

家に訪問するので、業務時間内に対応するのは目の前にいる患者さん一人。時間いっぱいその患者さんに看護を提供できるのは強みです。


・生活に寄り添う看護がしたい

生活状況を確認しながらアセスメントしたうえで、患者さんの生活に寄り添った看護を提供できます。


・自分で考えて行動するのが好き

その場にいるのは自分一人なので自分の知識を活かせます。もちろん困った時は相談も可能です。


・子育てや家庭と両立しワークライフバランスを大切にしたい

仕事も手を抜きたくない、でも家での時間や家族との時間も大切にしたい人には両立できる適した環境です。


・将来的に独立・キャリアアップしたい

訪問看護ステーションを立ち上げたいと考える看護師も増えています。将来的にスキルアップしたい、実際の訪問看護ステーションを知りたい方は一度働いてみるのもいいでしょう。



まとめ

訪問看護ステーションは、自宅で療養される患者さんの医療と生活のために健康を支える重要な役割を担っています。訪問看護のニーズは高く、看護師の需要も増えています。患者さんの「その人らしさ」を大切にした看護が提供でき、病院とはまた違う満足感を得られます。働き方も柔軟であるため、キャリアを広げたい方にもおすすめです。
訪問看護に少しでも興味がある方は、見学や体験同行を検討してみてはいかがでしょうか。
きっと、新しい看護の魅力に出会えるはずです。



ライタープロフィール

【雪猫堂】ナースLab認定ライター
看護師。北海道出身、在住。看護学校卒業後2か所の総合病院でリハビリ病棟、整形外科の看護を経験。現在訪問看護ステーションで非常勤として勤務している。小学生2人の母親でもありワークライフバランスのあり方を模索中にライター業に出会う。

看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」

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