最近糖尿病のある人でよく見る「あれ」! CGM(持続グルコースモニタリング)について

糖尿病看護認定看護師、特定研修修了(糖尿ケア分野) 山﨑優介
糖尿病看護認定看護師、特定研修修了
(糖尿ケア分野) 山﨑優介
最近糖尿病のある人でよく見る「あれ」! CGM(持続グルコースモニタリング)について

糖尿病でインスリン注射をしている人には血糖測定が欠かせません。ところが最近は、指先で血糖を測る代わりに、腕やお腹に小さなセンサーをつけている人を見かけませんか?それが「CGM(持続グルコースモニタリング)」です。現在では臨床現場でも広く活用されており、SNSなどで見たことがある方も多いでしょう。今回のコラムでは、このCGMについてわかりやすく解説します!

1.CGMってどんなもの?

CGMは「Continuous Glucose Monitoring(持続グルコースモニタリング)」の略称です。CGMは、腕やお腹などに小型のセンサーを装着し、体の中のグルコースの動きを持続的に測定できるデバイスです。「グルコース値?血糖値とは違うの?」と思われた方もいるかもしれませんが、実はCGMが測定しているのは血液中の血糖値ではなく、皮下の間質液中のグルコース濃度です。そのため、厳密には血糖値とは異なりますが、非常に近い値を示します。(この違いは後ほど説明いたします。)
CGMは最近登場した新しい技術のように思われがちですが、実は長い歴史があります。調べてみると、CGMは1990年代末にはすでに登場していたことが分かります。なんと、私が看護大学に入るよりも前にはすでに存在していたことになります。ただし、従来のCGMは高価で、指先採血による血糖値を入力して較正(キャリブレーション)する必要があり、ごく一部の人しか使用できませんでした。
その後、較正が不要で、比較的手軽に使えるタイプのCGMが登場したことで、利用のハードルが大きく下がりました。さらに近年では保険適用の対象も広がり、インスリン治療を行う患者さんを中心に、急速に普及しています。現在、国内では複数のタイプのCGMが利用されており、センサー装着型やリアルタイム表示型など、用途や特徴の異なるものがあります。


CGMってどんなもの?

2.CGMは血糖測定と比べて何がいいの?

CGMの最大のメリットは、「痛み」の少ないことです。このメリットだけでも糖尿病のある人にとっては人生が変わるほど意味があることだと思います。従来の血糖測定では、毎回指先に針を刺して採血する必要がありましたが、CGMではセンサーを装着するだけで自動的にグルコース濃度値を測定できます。一般的には、7日から2週間程度でセンサーを交換する仕組みになっています(※ただし、低血糖など異常を感じたときは指先採血による血糖測定が必要です)。これは本当に革命的なことだと思います。
そして、もうひとつの大きなメリットは、連続したデータが得られることです。従来の血糖測定では、1日数回の「点」でしか血糖の動きを把握できませんでしたが、CGMでは「線」として血糖変動を可視化できます(図1参照)。そのため、CGMを利用している方は、今の値をリアルタイムに知ることができます。また、血糖が上昇傾向か下降傾向かを示す矢印表示により、これからの変化を予測することもできます。矢印を見ながら「お、上がってきたぞ」「そろそろ下がるかも?」と血糖の動きを読めることで、まるで自分の体と会話するように、日々の食事や運動の工夫ができるようになります。ちょっとした気づきが積み重なって、自分らしく、無理のない糖尿病ケアにつながり、生活の質(QOL)向上にも役立ちます。
医療者にとっても、CGMは非常に有用です。連続したデータを分析することで、夜間低血糖の有無や、食後高血糖のパターンなど、これまで見えにくかった血糖変動を把握できます。これにより、安全かつ効果的な治療調整が可能となりました。CGMの普及は、糖尿病治療の質を大きく高める転機といえます。


CGMは血糖測定と比べて何がいいの?

図1



3.CGMをつけている人で注意することは?

多くのメリットがある一方で、いくつか注意点もありますので覚えていただけたらと思います。一番注意すべき点は、血糖値と異なるという点です。血糖値は血液中のグルコース濃度の値であり、指先採血によって直接測定します。一方、CGMは間質液中のグルコース濃度の値になるので、そもそも見ている値が異なるという点に注意が必要です。また、値の誤差だけでなく、タイミングの誤差もあることにも注意が必要です。一般的に、血糖変動が起こってから5~15分ほど遅れて間質液の値が変化するといわれています。したがって、「体調がいつもと違う」「低血糖のような症状がある」といった場合には、指先採血による血糖測定で確認するよう指導が必要です。
また、装着部位のテープかぶれやセンサーによるアレルギー反応といった皮膚トラブルにも注意が必要です。それでも、これらの注意点を理解して上手に活用すれば、CGMは糖尿病のある人にとって非常に心強いツールになります!



まとめ

今回は、最近よく見かける「CGM」について紹介しました。糖尿病のある人にとって、血糖管理の選択肢が広がり、より安全で快適な生活を送れるようになってきています。日々進化する糖尿病治療を理解するのは簡単ではありませんが、このコラムをきっかけにCGMへの関心を深めていただけたら嬉しく思います。



ライタープロフィール

【山﨑優介(やまざきゆうすけ)】
みんなのかかりつけ訪問看護ステーション安佐南 事業所長
糖尿病看護認定看護師、特定研修(糖尿ケア分野)といった糖尿病に関する資格だけでなく、3学会合同呼吸療法認定士や福祉住環境コーディネータ2級を有する。現在、大学院博士課程後期に進学しており、研究、管理、教育、実践のバランスの取れた看護師を目指している。
株式会社デザインケア
https://kakaritsuke.co.jp
リサーチマップ
https://researchmap.jp/yusukeyamazaki


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