看護の世界で唯一生命の誕生があり、そこには一般病棟と違ったドラマがたくさん生まれます。ベールに包まれた病棟だからこそ想像を超えたエピソードも。そんな産婦人科病棟の様子をご紹介していきます。
1.一人で性別当てゲームがはじまる
エコーのたびに、胎児はどっちの性別か予想し、当たったときはこっそり喜んでいます。
2.胎児心音の聴取がクセになる
はじめは1回で胎児心音を聴取することは難しかったです。しかしコツがわかると簡単に見つけることが出来るようになります。心音が聞こえると、妊婦さんも安心して表情が柔らかくなるので、その様子を見ると嬉しくなります。
3.産婦人科でよくある幻聴は「重低音」
看護師あるあるで代表的なモニターやアラーム音などの幻聴。病棟によって特色が違いますが、産婦人科ではNSTモニター(胎児心拍数モニタリング)の音が聞こえてきます。
4.出産は奇跡の連続
正常な出産を迎えることは当たり前ではありません。妊娠悪阻(つわり)や切迫早産で長期入院している人、出血などのリスクで救急搬送される人など様々なトラブルがあります。しかし、産後は妊娠中のトラブルでナーバスになっていた人の中には、出産後にガラッと雰囲気が変わることがあります。ベビーの誕生は、まわりに幸せを与えますね。
5.外線で変なテンションに
患者数も少なく安静だったのに、急に外線が鳴りやまなくなることも。たいていお産は一気にまとまってきます。
6.お産のビックウェーブは天気次第?
"満月の夜は出産が多い"とはよく聞かれるワードですが、実は天気の悪い日にも出産は多いとか。
7.新生児室への訪問頻度がストレス状態のバロメーターに
新生児担当じゃなくても忙しい業務が続くと、新生児室に足が向いてしまいます。ベビーの顔を見て充電完了!
8.付き合いの分だけお産は感慨深い
妊娠期からの出産まで約8カ月という期間経過を見ていくので付き合いも長くなります。その分信頼関係も。何度も経過を見てきたベビーの誕生は喜びも大きくなります。
9.経膣分娩を祈る
母子の安全のため帝王切開になることが多いので、出産後の回復やリスクを考えると経膣分娩で産めるようサポートがしたい。
10.お産に対するイメージはネガティブ?
お産が怖いと感じる旦那さんは多く、途中で倒れてしまう方がいます。お産へのポジティブイメージを伝え、旦那さんが積極的に関われるようなやりとりも大事な分娩介助です。
11.上の子の必死さが微笑ましい
経産婦さんのお産では上の子どもを立ち会わせたいという希望があります。幼児でもうちわであおいだり、汗を拭いてくれたりと、子どもたちも一生懸命介助をしてくれます。弟妹ができ、家族が増える喜びをも一緒に味わう姿にも喜びがあります。
12.お産ノートの更新は自信につながる
看護記録とは別に書くための私だけの"お産ノート"。自分の経験がそのまま積み重なっていくので、ページが増えるのが嬉しい!
13.出産した後も続く関係
出産後も検診や、傷の経過や乳房トラブルなどで関わりが続きます。また、下の子の出産でも関わる事があるので、さらに付き合いは長くなります。
14.成長した姿に感動!
出産した後も、顔を見せに来てくれたり、手紙や年賀状などで近況を教えてくれたりする方も。その瞬間疲れは飛んでいきます。
15.センシティブな問題も多く、言葉選びは慎重
ハイリスクやホルモンバランスの変化などでナーバスになっている患者さんは多く、関り方が難しいと感じることも多くあります。流早産や死産の時の悔しさは計り知れません。だからこそ、悩むことも多いです。
16.緊張状態の連続
急を要するトラブルとお産が重なることも多々あり、気が休まらない。
17.看護師で病室が埋まっている?
看護師・介護士など肉体労働では、おなかが張りやすい人が多い傾向に。切迫早産での入院のほとんどが看護師だったということも。
18.緊急帝王切開はすでにOPEの分担など決まっていることも
突然のトラブルで緊急OPEになることもあります。しかし、妊婦さんのキャラクターやお産の進み具合で帝王切開になりそうかわかることが多く、医師の診察前にある程度振り分けられていることがあります。
19.それ輸血しないの!?
貧血で焦るレベルが一般病棟と違い、Hbが低くても普通に歩いている褥婦さんも。輸血を選択するタイミングが一般病棟と全然違うので、他科経験者は焦ります。
20.定規から卒業したときは、プロへの一歩!
お産の進行状況を確認するため、内診して子宮口のサイズを測ります。アマチュア時代は定規で確認していますが、慣れてくると定規なしでサイズがわかるように!
21.「おっぱい」という言葉に視線が。
毎日使う言葉なので、つい外でも口に出てしまいます。周囲からの視線を感じて慌てることも。
22.スタイルよりも気になるのは?
骨盤の形や姿勢、スタイルから安産かどうか考えてしまいます。温泉施設や更衣室などではジロジロ見ないようにしていますが、授乳のしやすさなども気になり結果、見ています。
23.出産は夫婦関係もわかっちゃう!?
旦那さんのお産のサポートの仕方で、その後の家庭の状況は見えてきます。一生懸命腰をさすったり、汗を拭いたりしてくれる旦那さんは出産後もしっかりサポートしてくれる傾向に。
24.助産師は職人さん
助産師ごとにお産の方進め方やこだわりが違います。ベビーの口に乳首を咥えさせるのは100発100中!しかも早い!
25.ベテランの沐浴は神ワザ!
大先輩の沐浴の手つきは神レベル! スピードが速いのに丁寧なのはあこがれの的。
26.泣き止ませのプロ
自然と泣き止ませるテクニックが経験と共に身についています。どんなタオルでも、一瞬でお雛巻きに!ベビーは安心した顔ですやすや眠っています。
27.知らない職員が多い
産婦人科病棟は専門性が高く、対象疾患や入院が限定されているため、多職種や他病棟との関りが少なめ。同じ職場でもコミュニケーションをとる機会が圧倒的に少ないので、顔を知らない職員が多くなりがちです。
28.まとめ
命の誕生と死が常に隣り合わせだからこそ、様々な角度から命と向き合うことが出来る産婦人科病棟。それでも、家族が笑顔になる瞬間や、小さな命と触れる機会も多いので、癒される仕事でもあります。ぜひ、経験者の方は産婦人科あるあるで盛り上がってくださいね。
【高梨子あやの】ナースLab認定ライター
北海道在住、シングルマザー。産休中に2級FP技能士、AFPの資格取得。看護師11年は主に小児科、予防接種外来、母子相談支援に関わる。長男が1歳の時、ワンオペ育児と過重労働で抑うつ&ネグレクトを経験し、看護師・ママのWLBを整えるために働き方を変えていきたいそんな想いでFPとして発信中。家計と副業相談、セミナー講師、ライター、Instagramマーケター、ナースLab運営、働くママの離婚準備情報を発信するなどして活動している。