近年、男性俳優がドラマや映画の看護師役を演じているのを見かけることが多くなってきました。実際に、働いている男性看護師は厚生労働省の調査によると、ここ10年で倍増しています。夫婦で看護師の仕事をしている家庭も多くなってきているのではないでしょうか? そこで、看護師夫婦の日常生活でのあるあるを6つご紹介します。
目次
日常生活でも「なぜ?」と聞きあう
看護学生の時から根拠を求められてきた私たち。その結果、日常生活でも、つい「なぜ?」と尋ねることが癖になっています。
ある時、私が燃えるゴミにペットボトルを捨てると、夫に「なぜ燃えるゴミに捨てたのか」尋ねられました。「洗ったが汚れが取れず、燃えるゴミであると考えて捨てた」と根拠を伝えます。しかし実際、夫が洗うと綺麗になり、無事ペットボトルのゴミ袋に捨てることができました。
一方、相手の言動を深読みし、「なぜ? 」と聞くと喧嘩の火種になることもあります。
夫の不機嫌な言動を感じ、話を聴こうと「なぜ、そのような態度なの? 怒っている? 」と尋ねると、「理由はないし、怒ってない」「逆にそう聞かれることがイライラする」と言われることも。
このように「なぜ? 」が日常生活で役立つこともあれば、理由がないことに対して聞くとトラブルになったり、相手を責めたりしてしまうこともあります。互いの行動を見直す機会と考えられればよいのですが……人間まあ、そんなに大きな器にできていません。お互い。
仕事での苦労や充実感を夫婦で分かち合う
主として看護する病気が違っても、多職種連携や患者さんと関わることはどの診療科でも同じです。同じ診療科などの共通した経験があるほど、言葉にしない部分も状況まで察することができます。仕事での苦労や充実感を分かち合いやすく、時に励まし合えます。
帰宅後に「今日はこんなことがあった」と嬉しかったことや大変だったことを話し、聞いてもらいます。同僚には話しづらいこと、ちょっとした自慢話も夫婦だからこそ、話せることは嬉しいです。それが、翌日の勤務への活力となることもあります。もちろん、個人情報保護の意識も共有しているので必要最低限の内容で理解してくれるのは助かります。
子どもが急に休む時、どちらも看病できる
子どもが急に体調を崩し、学校や保育園などを休む日。その時は、夫婦のどちらが休んでも、子どもの看病ができます。どちらが仕事を休むかは、お互いの有給消化状況やその日の職場の勤務状況などを考えます。子どもの休みが長期になる時は交代しながら看病できるのは助かります。看病ができても、子どものことは心配で不安です。連日、看病することも大変です。子どもの様子について連絡を取り合いながら、働くことが息抜きになることもあります。
子どもの体調不良時は特に報告・連絡・相談
肌感覚や機嫌、言動などから、子どもの不調にお互いに気づくことができます。子どもの体が熱いと気づいた方が体温を測り、熱があればすぐに情報共有します。
連絡・相談できる点はやはり安心です。看護師といっても、経験やその人の特性で得意・不得意があります。相手に連絡や相談し、受診のタイミングやケアについて話します。一人の医療者として、相談しながら看病できるのは安心に繋がります。
子どもに解熱剤や痛み止めを飲ませた際は、何時何分に飲ませたことを報告します。なぜなら、お互いに看られることが、逆に過剰服薬などのリスクになるからです。
家族の薬管理はまるでカンファレンス
家族の飲み薬、塗り薬などは忘れないように、看護の経験からどのような方法が良いかを考えます。その話し合いはまるでカンファレンスです。薬管理の方法も薬カレンダーが良いのか、ケースが良いのか。ケースだとしたら1日分が良いのか、1週間分が良いのか。夫婦の傾向・状態や子どもたちの発達状況、薬の種類に合わせてアセスメントし、管理方法を変更します。
夫婦で看護師をしていても、家族の服薬、処置を忘れてしまうものです。薬の飲み忘れがある患者さんを否定することはできないと身に染みます。
夫婦で看護の違いを知り、看護の幅が広がる
例えば、夫婦で訪問看護をしていた場合、「受診の拒否がある患者さんにどのように対応するか」を話すと違う意見が出ます。同僚同士、同じ患者さんに対して違う見方をしている時は、カンファレンスなどで看護の方向性を決めていく必要があります。しかし、普段、他の看護師の看護観などを直接ゆっくり聞ける機会は少ないです。一方、夫婦で同じ職場、同じ患者さんを看ることはほとんどありません。そのため、話を客観的に聞けます。違う意見や方法を聞けることは、看護の視点の幅が広がり、頭の中にストックとして入れておけます。しかし、子育てとなれば、話は別です。主観的になります。違う意見や方法が出たら話し合ったり、調べたり。時には、夫の子どもへのかかわり方に私が反発してしまうこともあります。
まとめ
看護師夫婦の日常生活でのあるあるを6つ紹介しました。夫婦で看護師であるため、子どもへの過剰服薬など気をつけるところはあります。しかし、仕事の話で共感できるところや子どもの看病を交代・相談できる安心感、看護の視点の幅が広がることはとても心強いです。
ライタープロフィール
【仲村彩】ナースLab認定ライター
大学で看護と心理を学ぶ。精神科スーパー救急病棟と精神科訪問看護で5年働く。現在は講座講師と医療ライターの駆け出し。二児の母。趣味は音楽、アロマ。
人が幸せに生きることについて考えるのが好き。
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