看護師あるある~老人保健施設編~

ナースライター 梅子
ナースライター 梅子
看護師あるある~老人保健施設編~

老人保健施設(老健)と聞くと「自宅に戻るために準備し、短期間で退所する」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?実は私も、同じ思いを抱いているうちの一人だったのです。今回は、病院とは違う老人保健施設あるあるをご紹介します。



最長3ヶ月じゃない?!

入職して間もない時のこと。利用者さんの情報を収集している時に「Aさんは3年前に入所されまし た」と説明を受けびっくりしました! なぜなら病院勤務時には、老人保健施設は最長でも3ヶ月間で退所すると思っていたからです。そのため、年単位で過ごしている方もいることに驚きました。



病衣ではなく洋服で過ごす

約11年間、私は病院で勤務しましたが、いずれの病院でも患者さんは病衣で過ごされていました。一方で老人保健施設では、利用者さんは病衣ではなく、ご自身の洋服(普段着)で過ごされます。施設は「生活の場」と考えると自然なことなのですが、勤務を始めてしばらくはその姿に慣れず、何となく違和感を覚えていました。



看取ることも

創設当初の老人保健施設は、在宅復帰を目的とする中間施設であったため、未だにその印象をもっている方も多いようです。しかし、2009年の介護報酬改定で老人保健施設に「ターミナルケア加算」が導入され、現在では8割以上の老人保健施設で看取りを支援しています。私も何度か看取りに関わりましたが、ご家族からは「本人が生活していた場所で最期まで過ごせて良かったです」というお話をよくお聞きしました。



食堂がカフェに

食堂がカフェに

利用者さん同士で話が合う方のグループが自然と作られることも。コーラスがお好きな方同士で一緒に歌われたり、おしゃべりしたりと、食堂ではイキイキとした利用者さんの素敵な表情が見られます。



介護士さんのアンテナに感動

介護士さんは文字通り、起きてから寝るまで利用者さんに寄り添って介護しています。そのため「Aさん、今日はいつもよりたくさんおしゃべりされています。そういう時は熱が出ることが多いんです」と利用者さんの小さな変化も敏感にキャッチし、スタッフに情報共有してくれます。 介護士さんのアンテナに助けられる場面もしばしば。



相談員さんがすべての窓口

私が勤務していた老人保健施設では、相談員さんからご家族に利用者さんの状態を伝える決まりになっていました。 ただ、医療的な内容は看護師からご家族に伝えたほうが具体的、かつご家族からの質問にもその場で答えられるのに……、と思うことがたびたびあったのも事実です。相談員さんに感謝する反面、決まりだけに縛られず、柔軟に対応できたら良いのにと思っていました。



おやつの時間

おやつの時間

午後3時には毎日、利用者さんの嚥下状態に合わせた形態のおやつが準備されていました。「今日は何かしら?」と楽しみにされている利用者さんが多かったようです。飲み物も利用者さんの身体の状態に合わせ、コーヒーやジュース、紅茶の日もありました。このような配慮も、病院ではなく「生活の場」だと実感する一つです。



施設でも看護の視点はやはり大切

基本的には体調の安定している方を預かりますが、利用者さんが発熱したり急変したりすることも当然あります。バイタルチェックや観察力、アセスメントという看護の力が大切な点は病院と同じです。



まとめ

いかがでしたでしょうか。老人保健施設は、自宅に戻るリハビリ目的だけでなく、長期にわたって 過ごす生活の場でもあります。点滴や採血、検査などはほぼありませんが、利用者さんとそのご家族が安心して過ごせるよう援助する看護師の役割は大きく、病院やクリニックでの勤務経験を活かせる職場だと思います。



~ライタープロフィール~

【梅子】ナースLab認定ライター
社会人から看護師になり11年目。これまで急性期病棟、地域包括ケア病棟、地域医療連携室に勤務。現在は、地域包括支援センターにて勤務し、ペットとひとの暮らしに関して活動中。

看護師による看護師のためのwebメディア「ナースの人生アレンジ」


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